全員日本人の5人組ガールズグループ「UNICODE」
2024-04-17
昔々、
ある村にドリという怠け者の少年が住んでおりました。
「ドリ、今日は畑仕事を手伝ってくれないかしら」
ドリは渋々、牛を連れて山に行くと答えました。
畑仕事よりは楽だろうと思ったのです。
ドリは木陰に寝転がって、草を食んでいる牛を羨ましそうに見ていました。
「お前は楽でいいよな。働きもしないで、食べてばかりいるんだから」
その時、そばを通りかかったおじいさんがドリの言葉を聞いて、
持っていた仮面をドリに手渡しました。
「一度かぶってみるかい?」
あら、不思議!
仮面をかぶったドリの姿が牛に変わりました。
おじいさんは牛になったドリを百姓に売ってしまいました。
「さあ、今日は忙しいぞ。早く畑に行こう」
「ボクは牛じゃありません。近くの村に住んでいるドリです。
お願いですから家に帰らせてください」
ドリは涙声で訴えましたが、
百姓の耳にはモー、モーという牛の鳴き声にしか聞こえませんでした。
牛になったドリは休むこともできず、働き続けなければなりませんでした。
全身がずきずきと痛み、ろくに眠ることもできません。
ドリはこれまでの自分の行動を後悔しました。
「もしも、人間に戻れたら、その時は母さんに親孝行をして、誰よりも懸命に働こう...」
夜が明け、疲れきったカラダをひきずって畑に向かっていた時、大根畑が見えました。
その時、ふと自分に仮面をかぶせたおじいさんの言葉が頭をよぎりました。
「この牛には決して大根を食べさせてはなりませんぞ。大変なことになりますからね」
ドリは全速力で大根畑へ走っていきました。
そして、前足で土を掘り起こし、大根を一つ引き抜いてがぶりとかじりました。
人間に戻ったドリお母さんが待っている家に走っていきました。
お母さんはドリをぎゅっと抱きしめ、涙を流しました。
ドリは二度と怠けることなく、
お母さんといっしょに幸せに暮らした、とさ。
2024-04-17
2024-04-17
2024-04-03