全員日本人の5人組ガールズグループ「UNICODE」
2024-04-17
昔々、
山奥の小さな村におばあさんが住んでおりました。
おばあさんは小豆と米を煮て作る小豆粥が大好きで、
おばあさんが作る小豆粥はとてもおいしいと評判でした。
おばあさんが小豆の畑を耕そうとしていた時でした。
どこからか大きな虎が姿を現わしました。
「ガオー、ちょうど腹が減っていたのに、思いがけないごちそうに出くわしたものだ。
ばあさん、今日は運が悪かったと思え」
おばあさんはありったけの勇気を振り絞って虎をなだめました。
「この山で私の小豆粥を食べていないのはお前さんしかいないだろうねぇ。
この畑の小豆が実ったら、おいしい小豆粥を味わわせてあげるよ」
虎は冬至に来ると言い残して、山に帰っていきました。
いよいよ冬至の朝。
おばあさんが作る小豆粥のおいしそうな匂いが広がっていきました。
「おばあちゃん、小豆粥を食べに来ました!おいしそうな匂いですね」
一番先に来たのは栗で、次いで錐、むしろ、杵、背負子が台所に入ってきました。
「たくさんお食べ。小豆粥も今日が最後だからね」
おばあさんは虎に出くわした時の話を聞かせ、今日が虎が来ることにした冬至だと話しました。
「まあ!なんて悪い虎なんでしょう!おばあちゃん、どうしましょう」
昼寝をしていた虎が大あくびをしながら起きました。
「くんくん。おや?これは小豆粥の匂いじゃないか。そうか!今日が冬至か。
よーし、小豆粥ばあさんの家へ行って、小豆粥も、ばあさんも食ってしまおう」
虎が釜の中を覗き込んでいた時でした。
かまどの中に隠れていた栗がパンと弾けるようにはね上がり、
虎の顔をぱちんぱちんと叩きました。
驚いた虎は悲鳴をあげて飛びあがりました。
すると、隅に隠れていた錐が駆けつけ、虎のお尻を容赦なくつつきはじめました。
そして、入口に座っていた杵ががばっと立ち上がり、ぼかぼかっと虎を殴り出しました。
「うわっ、痛い!助けてくれぇ」
「おばあちゃん、悪者の虎はもういません。もう心配は要りません」
「ありがとう。本当にありがとう。お前たちが私を救ってくれたんだね」
おばあさんは涙ぐみながら栗、錐、杵、むしろ、背負子を見つめました。
それからも、おばあさんは一生懸命小豆を育て、
毎年、冬至になると、おいしい小豆粥を作ってみんなで食べた、とさ。
2024-04-17
2024-04-17
2024-04-03