全員日本人の5人組ガールズグループ「UNICODE」
2024-04-17
昔々、ある山里に7人の息子が母親と暮らしておりました。
父親は末の息子が生まれて間もなく亡くなり、
母親は女手一つで7人の息子を育てました。
息子たちはすくすく育ち、母親の代わりに働くほど大きくなりました。
ある冬の夜のことでした。
母親の部屋の戸が開く音が聞こえ、
しずかに庭を横切る足音、そして門を出ていく音が聞こえました。
目を覚ました長男は部屋にいない母親の帰りを待ちました。
夜明け前、母親が帰ってきました。
母親のチマの裾と足袋は濡れていました。
次の日の夜も母親は静かに出かけていきました。
長男は母親の後を追ってみることにしました。
母親は慣れた足取りで、暗い道を歩いていきました。
村の入口にある小川の前に着きました。
ちょっと躊躇うように見えた母親は、歩いて川を渡り始めました。
母親は、村まで歩き、ある家の前で立ち止まりました。
あっ、ここは。
素焼きの陶器を作る金おじさんの家でした。
次の日、長男は弟たちを呼び集めました。
そして、昨日の夜、見たことを話してあげました。
「兄さん、本当?信じられないな...」
「ボクも驚いたけど、母さんは本当に幸せそうだった。
母さんのために川に飛び石を置いてはどうだろう」
その夜、川岸に着いた母親は目を丸くしました。
「いつの間に飛び石ができたのかしら。
これで足を濡らさずに川を渡れるわ」
それからは母親のチマの裾や足袋が濡れることがありませんでした。
その後も母親は7人の息子たちと互いを思いやり、
幸せに暮らしました。
時は流れ、母親が亡くなり、
そして、さらに時を経ると年老いた7人の兄弟たちも亡くなりました。
親想いでやさしい兄弟たちの行いを知っていた天帝は、
星になりたいという兄弟たちの願いを叶えてやりました。
北の空にひしゃくの形に並んでいる7つの星。
そう、北斗七星です。
それからは、暗い夜道を一人で歩くのが怖い人たちは、
夜空に輝く北斗七星を見ながら歩くようになった、とさ。
2024-04-17
2024-04-17
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