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文化

「文廟祭礼楽のうち黄鍾宮」ほか

#国楽の世界へ l 2021-11-24

国楽の世界へ

「文廟祭礼楽のうち黄鍾宮」ほか

朝鮮時代第4代王の世宗(セジョン)は、ハングルを作った方で知られます。でも、実はハングル以外でも数多くの業績があるんです。天体観測器をはじめ、水時計や日時計などを作りました。新しい活字を作って印刷能力を高めただけでなく、歴史、農業、医学、音楽に至るまで多様な分野の本を編纂しました。長さと重さを測るなどの度量衡を見直し、火砲を改良して武器の分野でも革新をもたらしたものです。一人の人がこれだけ多様な分野に関心を持ち、新しいもので発展を成し遂げるとは、素晴らしいことです。そして、世宗の業績には、音楽もあります。世宗が王位に就いたのは、朝鮮建国から25年ほどが過ぎた頃でした。高麗の滅亡などの影響で、まだ混乱していたときです。世宗からすると、混乱の中で使えなくなった楽器もあり、楽師もばらばらになっているようで、残念に思ったようです。それで、パク・ヨンという者を通じて、音楽の理論と楽器を見直しました。そのように整備した音楽のうち、今でも伝わっているのが、「文廟(ムンミョ)祭礼楽」という曲です。孔子の位牌がある祠堂で祭祀を捧げるときの音楽です。今日は、まず、「文廟祭礼楽のうち、黄鍾宮(ファンジョングン)、문묘제례악 중 황종궁」という曲を、国立国楽院の正楽団の演奏でお楽しみください。


国楽は全て似ているとイメージがあるかもしれませんが、この音楽は変わっていると感じた方もいらっしゃるでしょう。韓国の宮中音楽には、雅楽(ががく)、唐楽(とうがく)、郷楽(きょうがく)の、三つの種類があります。郷楽は韓国固有の音楽で、雅楽と唐楽は中国から伝わった音楽です。中でも雅楽は祭礼などの儀式で、唐楽は宮中の宴会などで演奏しました。当時は、孔子の祠堂だけでなく、朝鮮の歴代の王様のための祠堂、宗廟(チョンミョ)で祭祀を捧げるときも、この雅楽を演奏したようです。世宗はある日、宗廟で祭祀を捧げた後、生きているときは郷楽を楽しむのに、亡くなってからは祭祀で雅楽を演奏することに疑問を抱きました。その後、世宗の息子が王位に就くと、世宗が作った音楽を祭礼の儀式に合わせて作り変え、「宗廟祭礼祭」として演奏するようになったのです。それでは、国立国楽院の正楽団の演奏で、「宗廟祭礼祭のうち、保太平(ボテピョン)」という曲をお楽しみください。


朝鮮の統治理念は儒教です。儒教の思想として重視されたのが礼楽です。礼は表に表れる秩序、楽は内側からの調和を意味します。祭礼楽が音楽と踊りで成り立っていたのも、そのような礼楽思想に基づいています。世宗とその息子が祭礼音楽を重視したのも、正しい音楽で神と通じ合い、民と調和を成したいという意思を表現したものと理解できます。今日の最後は、王様が祭祀を捧げるために宮廷の外に出かけるときに演奏した音楽です。国立国楽院の正楽団の演奏で、「大吹打(デチィタ)」という曲をお楽しみください。この曲の最初の歌詞は、鐘を鳴らしてから「大吹打」を始めるという内容になっています。この部分は、防弾少年団の「大吹打」でも、同じ歌詞が引用されたことで広く知られています。

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