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文化

「詩唱、關山戎馬」ほか

#国楽の世界へ l 2021-12-08

国楽の世界へ

「詩唱、關山戎馬」ほか

韓国の音楽には、詩を歌にした多様なジャンルがあります。まず、韓国固有の定型詩、時調(シジョ)を歌う「歌曲(カゴク)」と「時調唱(シジョチャン)」というものがあります。また、詩の形式が一定しておらず、時調より長く歌うのは「歌詞(カサ)」といいます。そして、漢詩を歌うものは「詩唱(シチャン)」といいます。今日は、「詩唱、關山戎馬(クァンサンユンマ)」という曲からご紹介いたします。この詩は、朝鮮時代後期、シン・グァンスという者が、科挙という試験で提出したものです。秋の川は寂しくお魚さえも冷えているのに、西風が吹く楼閣に一人の人が立っている、という歌詞で始まります。中国の詩人杜甫の詩、「登岳陽楼」という作品を引用したものです。この詩が一般に知られると、平壌(ピョンヤン)の芸者妓生がこの詩を歌にして歌うことが多かったそうです。今日は、まず、キム・クァンスクさんの歌で、「詩唱、關山戎馬」という曲をお楽しみください。


この曲は、秋の寂しい感情をうまく表現しています。でも、ある程度国楽に慣れた方にはその感情が伝わるかもしれませんが、聴きなれない方には難しい音楽に思えます。歌詞を長く伸ばしてゆっくり歌うので、現代の早いテンポに慣れている方は、窮屈に思うかもしれません。漢詩を元にしているため、歌詞の内容も難しいはずです。そのため、最近は伝統的な歌い方は維持しながらも、若者が理解しやすいように、現代の詩をピアノのような楽器の伴奏に合わせて歌うこともよくあります。今度は、そのような音楽をご紹介いたします。お花が咲くには時間がかかるものの、散るのは一瞬で、君の事を考える間もなく一瞬で散ってしまうという、チェ・ヨンミ詩人の詩をピアノの伴奏に合わせて歌う曲です。それでは、カン・クォンスンさんの歌で、「禅雲寺にて、선운사에서」という曲をお楽しみください。


正歌の歌い方をベースに、現代の詩をピアノの伴奏に合わせて歌う曲でした。時調や時唱のようなものを含む正歌というジャンルは、伝統音楽の中でも、継承するのが難しいジャンルといわれます。早いテンポの音楽に慣れている方にはなおさら難しく感じられます。勉強してみようと思っても、漢字をはじめ、その時代の文化まで理解しなければならないため大変です。たまたま正歌を勉強する学生がいたとしても、卒業してから社会で活動できる領域がなく、挫折することもあったといいます。でも、最近はそのような状況を克服しようとする歌い手が多くいます。今日の最後は、正歌アンサンブル・ソウルジギの歌で、「春を探る、탐춘」という曲をお楽しみください。現代の表現で書かれた詩を歌うこともあれば、もともとは難しい漢詩を分かりやすく解釈して歌うこともあります。「春を探る」という曲は、中国宋の漢詩を分かりやすく解釈して、軽快なリズムで歌う曲でした。

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