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文化

「冬の朝の景色」ほか

#国楽の世界へ l 2022-01-17

国楽の世界へ

「冬の朝の景色」ほか

中国唐の詩人、白居易の作品に「夜雪」、つまり、夜の雪という詩があります。以前は家の中を温かくするために、かまどに火をたいたり、部屋の中に火鉢を置きました。でも、早朝になると熱が冷めて、部屋の中が冷えてしまいます。寒さで目が覚めると、窓の外が明るく見えました。窓を開けてみると、世の中が白い雪で覆われ、裏手の山の方からは、雪の重さに耐えられず竹が折れてしまう音が聞こえてきます。こんな朝であれば、みなさんは、まずどのようなことをされるでしょうか。まずは、大きな雪だるまをひとつ作ると良いでしょう。その後は、雪を片付けなければならないかも知れません。今日の最初は、このような冬の朝を浮かばせる音楽です。ユ・ウンソンさんが作曲した「冬の朝の景色、겨울 아침의 정경」という曲を、女性国楽室内楽団ダスルムの演奏でお楽しみください。


清く高い音のソグムが冬の朝の雰囲気とよく合わさっています。また、ギターの音が温かく囲んでくれるような曲でした。考えてみると、昔は今よりはるかに寒かったはずです。韓国の昔の家は、風が庭を貫通する構造でしたし、窓や扉には薄い紙を貼り付けていました。部屋の中に座っていると冷たい風が入ってきます。今のような温かいコートは想像もできなかったでしょう。それでも子供たちは冬になると楽しくて仕方がありません。凍えた手でビー玉のような遊びをしたり、タコを飛ばしたり、凍った田んぼでスケートを楽しみます。氷が溶けたところがあると、水に溺れることもありました。服を汚してしまうと、主婦は冷たい水で洗濯をします。洋服を庭に干しておくと、氷のように凍ってしまい、部屋の中で乾かしていた時代もあったのです。昔のことだからなのか、想像するだけでも心が温かくなるお話です。今度は、ハン・チュンウンさんのテグムの演奏で、「雪、スノー」という曲をお楽しみください。


こんな冬にも、韓国の南の地方、南道(ナンド)では、真っ赤なツバキが真っ最中です。濃い緑色の葉っぱ、真っ赤な花びらのツバキに、白い雪が積もると絶景です。ツバキはお花のままでも美しいですが、花房ごと落ちて地面がお花で覆われたときの景色も美しいです。昔の女性は、髪を整えるとき、ツバキの油をよく活用しました。ツバキの油は保湿や髪の毛の保護、頭皮にも効果があって、今でもヘアケアやマッサージオイルなどで注目を浴びています。こう考えると、昔の人びとはツバキを賢く活用していたようです。今日の最後は、イ・ナンチョさんの歌で、「ツバキのタリョン、동백타령」という曲をお楽しみください。ツバキの油を絞り、その油で火を灯し、娘の嫁入り道具を作るという内容です。嫁入り道具を作るときのウキウキとした気持ちを想像しながら聴くと、この曲をよりよく理解できるでしょう。

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