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文化

「愛の歌」ほか

#国楽の世界へ l 2022-04-11

国楽の世界へ

「愛の歌」ほか

春風が吹いて花々が咲く時期になると、若者から高齢の方まで、胸がときめきます。新しい恋を見つけたり、大切な人への想いもより大きくなるでしょう。愛する人にはどんなことをしてあげたいでしょうか。伝統芸能パンソリ、「春香(チュンヒャン)の歌のうち、愛の歌」では、イ・モンリョンが春香においしい食べ物を勧めます。甘いスイカにハチミツをかけたものや、ブドウなどの果物です。また、当時は手に入れることが難しかったと思われる飴まで見つけてきました。これらは全て甘い食べ物です。イ・モンリョンのスイートな気持ちを食べ物で表したのでしょう。今日の最初は、イ・ボングンさんの歌と二番目の月の演奏で、「愛の歌、사랑가」という曲をお楽しみください。


結婚をするときはもちろん、恋愛を始めるときも、損益を計算することがあります。性格さえよければ良いと思うこともありますし、学歴や経済力、生まれ育った環境などを考慮することもあるでしょう。このような要素があまりにも違うと、お互いを理解できないだろうと思うこともあります。お互いを理解できないと、些細なことで対立することもあるだろうと心配します。イ・モンリョンが春香に一目ぼれして一度会ってみたいという意思を伝えたとき、春香もこのようなことを考えました。イ・モンリョンの使いは春香のところへ行き、イ・モンリョンは高官の息子なので上流階層のヤンバンの家に嫁に行けると言いました。春香も妥当なお話だと判断したようです。それで、「お花が蝶のところへ行くのではなく、蝶がお花を訪ねてこなければ」と言ったのです。春香の母は、若い頃芸者キーセンであったため、当時の決まりでは、娘もキーセンになるのが一般的です。人から見れば、春香はキーセンの娘に過ぎませんでした。イ・モンリョンが来るというお話を聞いて、母は心配になります。ヤンバンの息子のイ・モンリョンが、キーセンの娘の春香をどう考えるだろうかと思ったからです。それで、絶対に春香と別れないという約束をさせたのです。でも、その心配は現実になってしまいました。イ・モンリョンは科挙の勉強をすることになり、春香に別れを告げます。そのお話を聞いた母は、どんなに失望したでしょうか。今度は、母の立場を歌うパンソリの場面を、ダンスの音楽に構成した曲をご紹介いたします。ソ・ジンシルさんの歌で、「春香の歌、춘향가」という曲です。


二人のラブストーリーは、今でも多様なジャンルで再解釈して歌われています。以前は春香の純粋な愛にフォーカスを当てていたとしたら、最近は今どきの女性の考えを反映させ、イ・モンリョンを恨んだり批判する内容もあるんです。また、イ・モンリョンと関係なく自分の進路を開拓する春香の姿を歌う音楽もあります。今日の最後は、監獄に入った春香が、イ・モンリョンを待つ姿を歌う曲です。パク・エリさんの歌で、「スッテモリ」という曲をお楽しみください。スッテモリとは、乱れた髪の毛を指す言葉です。美しい春香の髪が乱れたとは、監獄でどんなに苦労をしたのか分かります。日本植民地時代、解放を願っていた人々は、乱れた春香の姿が自分たちと同じだと思いました。そのような理由で、当時、この歌は大変な人気を博したといいます。

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