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文化

「ハヒョンドドゥリ」ほか

#国楽の世界へ l 2022-04-18

国楽の世界へ

「ハヒョンドドゥリ」ほか

カヤグムやコムンゴ、アジェン、ヘグムのような韓国の伝統的な弦楽器は、絹糸をねじって作った弦を使用します。少し鈍いようで暖かい音が出ます。ところが、ヤングムという楽器は少し違います。ヤングムは鉄の弦を使い、竹を薄く削って作った棒で音を出すため、清い音が出るんです。ヤングムは西洋から入ってきた琴、西洋の弦楽器という意味です。昔から韓国で演奏した楽器ではなく、比較的最近西洋から入ってきた楽器です。朝鮮時代後期、英祖(ヨンジョ)という王様の時代、中国へ使臣として派遣された人々を通じて伝わりました。西洋の音楽は韓国の音楽とは色んな面で違いがあります。音程、音階、音の出し方も違うため、西洋の楽器で韓国の音楽を演奏するには問題があったようです。このヤングムで韓国の音楽を演奏できるように作った人が、朝鮮時代後期の有名な実学者、ホン・デヨンという方です。今日は、まず、コムンゴとヤングムの演奏をお聞きいただきます。カン・ユキョンさんのコムンゴと、チョ・イルハさんのヤングムの演奏で、「ハヒョンドドゥリ」という曲です。


パク・チウォン、ホン・デヨン、二人の学者ソンビは、親しかったようです。パク・チウォン先生は、ヤングムについて、次のような記録を残しました。この楽器が韓国に入ってきたのがいつかは分からないが、韓国の音楽を演奏し始めたのはホン・デヨンであるので、1772年6月18日のことだ。私はホン・デヨンの書斎に座って、午後6時頃、韓国の音楽を演奏するのを見た。ホン・デヨンがどれだけ音に敏感なのかが分かったので、その時間をはっきりと記憶しているのである。その後、ヤングムの演奏法が知られ、コムンゴやカヤグムの演奏者は誰でもヤングムを演奏できるようになった、とのことです。二人のソンビが部屋に座り、一人はヤングムを演奏し、もう一人はそんな友の姿を見つめて記録を残す様子を想像すると、おかしい気もしますし、懐かしい気分にもなります。そのようにして韓国で演奏されたヤングムは、清い音を出すものの音量が大きくないため、主に室内音楽を演奏するとき使われました。最近は創作音楽の演奏でもよく使われています。今度は、ミュールの演奏で、「あなたが通り過ぎた場所、그대가 지나간 자리」という曲をお楽しみください。


ヤングムは、中央アジアで初めて作られました。その後ヨーロッパに伝わり、宣教師によって中国に伝わりました。これが、使臣を通じて朝鮮まで入ってきたのです。ヤングムは、木の筒に二つの長い柱を立て、金属の弦を乗せた楽器です。金属の弦4つがワンセットで、合計14セットの弦が載っています。弦を竹の棒で叩いて音を出すのですが、弦が極めて敏感で音程がよく変わります。56の弦を調律するとなると、大変な作業です。今日の最後もヤングムの演奏をお楽しみいただきます。トンヤン高周波の演奏で、「アーケード」という曲です。カヤグムやコムンゴなどは弦をはじいて音を震わせますが、ヤングムではこの技法が使えません。そのため、韓国の伝統音楽では、ヤングムがそれほど活用されなかったようです。しかし、最近の創作音楽では、他の技法を用いてヤングムを活用しているようです。

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