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文化

「ツバメの路程記」 ほか

#国楽の世界へ l 2022-05-23

国楽の世界へ

「ツバメの路程記」 ほか

昔は旅行をするのが簡単ではなかったはずです。目的地がどこであっても歩いて行かなければならず、時間がたくさんかかります。山を越えるときは、猛獣の攻撃を受けることもありますし、盗賊に襲われることもあります。韓国は海に囲まれていて、雄一陸地でつながる中国は国の許可をもらわないと往来できませんでした。普通の人々には、海外旅行は夢のようなお話です。それでも、新しい場所を旅行してみたいというときは、部屋の中で旅行記を読んだり、名勝地を描いた絵を見たりしたものです。伝統芸能パンソリ、「フンボの歌、ツバメの路程記」という曲は、秋に中国へ行ったツバメが、春にフンボの家まで戻って来るまでの旅路を歌ったものです。春に中国から韓国へ移動するツバメは、普通は海の上を通るといいます。でも、ここで登場するツバメは、中国大陸を通ってくるんです。そうしてこそ中国の名勝地を回ることができるからです。今日は、まず、「ツバメの路程記、제비노정기」という曲を、キム・ソンオクさんの歌でお楽しみください。


善人は祝福を受け、悪者は罰を受けると言いますが、実際は善人が長い間大変な思いをすることもありますし、悪者であっても偉そうに暮らすこともあります。「フンボの歌」の主人公、フンボは、怪我をしたツバメの脚を治してあげて、そのおかげで大金持ちになりました。でも、フンボがツバメの世話をしたのは春の出来事であり、ツバメのヒョウタンの種から金銀を手に入れたのは翌年の秋のことです。その間、名節になってもお米がなく、飢えていたのです。そして、大変な時期を耐えた後、大金持ちになりました。フンボがこのヒョウタンを割る場面は、繰り返し聴いても楽しいお話です。ヒョウタンから宝物を取り出しても、またお金などでいっぱいになるんです。今度は、アン・スクソンさんの歌で、「フンボが喜ぶ、흥보가 좋아라고」という曲をお楽しみください。


善人の弟フンボは、元々悪者の兄ノルボの家で暮らしていました。ところが、ノルボはフンボの家族にお金がかかるのがもったいないと思い、真冬に弟の家族を追い出してしまいます。フンボは大変な苦労をしましたが、その時期があったからツバメに出会えたのかも知れません。もし追い出されていなかったら、ツバメの脚を治してあげることもなかったでしょう。フンボが大金持ちになったというお話を聴いて、意地悪な兄ノルボは、自分のおかげであると、偉そうに言います。そして、フンボの家から、「ファチョジャン」という名前のタンスひとつをもらって帰ります。今日の最後は、トリスの歌で、「ファチョジャン」という曲をお楽しみください。ファチョジャンは、お花や草の模様が描かれたタンスです。金銀がたくさん詰まっていたため、ノルボは他の人に任せるのが不安で、自ら背負って帰ったのです。ところが、帰る途中、タンスの名前を忘れてしまうという内容の歌でした。

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