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文化

「ヨンサンホン」ほか

#国楽の世界へ l 2022-05-30

国楽の世界へ

「ヨンサンホン」ほか

韓国の端午は、一年の中で陽気が一番旺盛な日だとされます。ちょうど田植えを終えて一休みする時期なので、豊作を願う端午のお祭りが行われたものです。中でも、カンルン端午祭は、ユネスコ人類無形文化遺産にも登録されています。儒教の祭礼とシャーマニズムの祭祀グッ、民間の遊びの仮面劇などが合わさった、カンルンの人々のお祭りです。端午は、一か月前の陰暦の4月5日、端午のお祭りで使うお酒を醸すことから始まります。そして、陰暦の4月15日には祭祀を行いますが、祭祀を終えてから松明を灯して山から下りるとき歌ったのが、「ヨンサンホン」という曲です。ヨンサンホンは、薄紅のお花を咲かせる、ツツジ科のひとつです。暗い山の方から次々と降りてくる松明の光が、まるでツツジのように見えたから付けられた名前です。今日は、まず、アナヤの歌で、モダンに編曲して歌う「サツキ、ヨンサンホン」という曲をお楽しみください。


普段は家の中にいることが多い女性も、端午には久々外出をしました。川辺で髪を洗ったり、ブランコにも乗りましたが、このようにして結ばれたカップルもあります。パンソリ、「春香(チュニャン)の歌」に登場する春香とイ・モンリョンです。部屋の中で本を読んでいたイ・モンリョンは、端午の日に使いの者と散歩に出かけました。楼閣に登って景色を眺めていると、遠くにブランコに乗っている春香の姿が見えます。イ・モンリョンは春香と会う約束を取るために、使いを送りました。使いは春香に、結婚をするならソウルから来た男性の方が良いのではないかと、イ・モンリョンのことを話します。春香は、そんなに会いたければ、イ・モンリョンが訪ねてくれば良いと言い、去ってしまいました。パンソリでは春香がそのまま去って行くのですが、「小春香の歌」では、春香が自分の家の居場所を教えてくれます。右手を高く上げて、竹の森を指すのです。その家の垣根には竹が生えていて、松の木のそばには東屋もあります。門の前には、ヤナギの枝が垂れていて、趣きがあります。今度は、チェ・スヒョンさんの歌で、京畿(キョンギ)の雑歌「小春香の歌、소춘향가」という曲をお楽しみください。


今度は、ファン・ビョンギさんが作曲した、ブランコの歌という意味の「鞦韆詞」という曲です。詩人、ソ・ジョンジュさんの詩を歌にした曲です。春香が使いのヒャンダンに対し、海へ船を押し出すようにブランコをこいで欲しいと話す内容です。今日の最後は、カン・クォンスンさんの歌と、イ・チヨンさんの17弦カヤグムの演奏で、「鞦韆詞、추천사」という曲をお楽しみください。春香はもともと芸者キーセンの娘です。自分の身分や環境などから離れ、自由に暮らしたいと思う春香の気持ちが表れた歌だと思います。

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