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文化

「清声曲」ほか

#国楽の世界へ l 2022-06-06

国楽の世界へ

「清声曲」ほか

韓国人は勤勉な民族と言われますが、一方で、遊ぶのがとても好きな民族でもあります。中国の三国志魏志東夷伝には、春と秋に開かれるお祭りで、数日間も夜通しで歌と踊りを楽しむ民族として記録されています。中国人からするとその姿が不思議に見えたようで、それを記録しておいたのです。そのように遊ぶことを、風流と表現することがあります。誰かを指して、風流が分かる人だというと、しゃれた人だとのことです。風流を知らない人だというと、窮屈で面白くない人を指します。風流は、漢字で風が流れると書きます。何かを無理やりしようとするよりは、水が流れるように、風が吹くように、自然に生きるようにという意味ではないかと思います。韓国の音楽でも、自然の流れのような音楽を、風流音楽といいます。主に昔の学者ソンビが楽しんだ音楽を指します。その中で、今日は、縦笛タンソの独奏曲からご紹介いたします。イ・ドゥウォンさんのタンソの演奏で、「タンソの独奏、清声曲(チョンソンゴク)」という曲をお楽しみください。


松の木の間から吹いてくる、清い風のような感じがする曲です。清声とは、高い音という意味です。歌曲というジャンルは、いくつかの曲を続けて歌いますが、一番最後に歌う「太平の歌」の伴奏から音を高くして変奏したのが「清声曲」です。今度は、歌曲から、山の木に関する歌をご紹介いたします。愛する人と別れた後の戸惑う気持ちを、木も岩も野原もない山の中にいる鳥、キジに例えた歌です。山の中で、タカに追われているキジの気持ちを表しています。また、海のど真ん中で遭難し、海賊に遭った船乗りの気持ちにも例えているんです。歌曲は、同じ曲に違う詩を載せて歌うことがあります。ご紹介する曲は、「ピョンラク」という曲に、「木も」という詩調(シジョ)を歌詞にして歌う曲です。他の歌曲と比べると、比較的早いテンポで、高い音程で歌います。タカに追われて逃げているキジの恐れる気持ちと、荒波が押し寄せてくる海の風景を音楽で表現しているかのような曲です。それでは、イ・トンキュさんの歌で、「ピョンラク、木も、나무도」という曲をお楽しみください。


風流音楽というと、普通の民が楽しんだ音楽とは少し違います。民が楽しんだ音楽は、今日は民族音楽と呼ばれます。感情を率直に表すのが特徴です。悲しいときは物寂しく歌い、楽しいときは騒がしく歌います。一方、風流音楽は、感情を露骨に表すよりは、控えめにして、適切に悲しみ、楽しむのが趣きであるとするのです。そのため、平凡でしゃれていないと思うこともありますが、しばらく聴いていると、興奮していた心が穏やかになるのが感じられます。これが、風流音楽の趣きだと思います。今日の最後は、イ・スルギさんのカヤグムの演奏で、「民間の風流、ケミョンガラクトドゥリ」という曲です。民間の風流とは、主に民俗音楽を演奏するミュージシャンが風流音楽を演奏することをいいます。普通の風流音楽と比べて、豊かな音色が特徴です。

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