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文化

「ダルゴリ」ほか

#国楽の世界へ l 2022-06-20

国楽の世界へ

「ダルゴリ」ほか

時間が流れ社会が変わると、人々の暮らしにも変化が見られます。そして、暮らしの変化と共に、文化も変わってきます。伝統的な文化は、長い歳月その地域、または、民族の暮らしを支えてきた貴重な財産です。しかし、どんなに貴重なものでも、現代の私たちの暮らしでは維持できないものがあります。例えば、ユネスコ人類無形文化遺産に登録されている、「宗廟(チョンミョ)祭礼楽」という曲が挙げられます。朝鮮時代の歴代王様の祭祀で演奏した音楽で、国の行事の音楽という重要な意味があります。しかし、今日はそのような行事が行われていません。民が田植えをするときに歌った音楽、村ごとに行われた名節の風習なども、時代の変化と共に見かけることができなくなっています。今では、そのような音楽を保存しよとしても、当時の文化を記憶する人があまりいないようです。そのため、伝統文化に携わる人々は、多様な方法で昔の文化を記録したり、現代社会と調和できる方法を探っています。その一環として、国立国楽院では、生活音楽のシリーズを作って配布しています。伝統音楽を若者が気軽に楽しめるよう、今年も大衆音楽のように編曲して発表しました。今日は、その中のいくつかの音楽をご紹介いたします。まずは、ソウルと京畿(キョンギ)地域の歌い手が歌っていた雑歌のひとつ、「ダルゴリ」という曲を、イ・ハンチョルさんの歌でお楽しみください。


民謡は、誰もがいつでも楽しめる音楽です。一方、雑歌は専門の歌い手が観客のために歌うものでした。京畿の雑歌「ダルゴリ」は、もともとは太鼓チャングだけで伴奏して歌います。歌詞には、男性と女性を意味する天と地が出てきます。共に眠る友たち、という表現から、愛する人に対する歌だということが分かります。ところが、昔の歌の歌詞を解釈するのが簡単ではないため、先ほどの「ダルゴリ」では、誰でも理解しやすい言葉に変えて歌っているんです。今度は、自然と共に過ごす日常を歌う、「スヤンサンガ」という曲を、演奏曲に変えた音楽です。イ・チスさん作曲の、「スヤンサンガ」という曲をお楽しみください。


この曲は、歌詞(カサ)というジャンルで、上流階層ヤンバンや生活に余裕がある人々が、専門の歌い手を招いて楽しむ音楽でした。何か喜ばしいことがあると、歌い手を招いて楽しんだものです。そんな音楽であるだけに、思う存分楽しめるよう、余裕が感じられます。歌詞は、学者ソンビの想いを表現したり、風流を楽しむ内容などになっています。もともとは中国の逸話を引用した内容ですが、生活音楽シリーズではその趣きだけを生かして、ヤングムという楽器などで演奏しています。今日の最後の曲は、京畿民謡の歌い手、チェ・スヒョンさんの歌で、「変身、변신」という曲です。この曲は、昆虫が成長する姿から、長い時間をかけて飛躍に備える人の姿を浮かべて作った曲だそうです。伝統的な声楽曲ではありませんが、京畿民謡の歌い手が歌い、伝統音楽の趣きが感じられます。

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