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文化

「一千歳」ほか

#国楽の世界へ l 2022-08-29

国楽の世界へ

「一千歳」ほか

もうすぐ9月になります。まだ暑いですが、秋が近づいてきています。また一年が過ぎるという、残念な気持ちにもなります。誰かと向かい合って座り、お茶、またはお酒を交わしたい時期です。昔の人々がこんな時に楽しんだ音楽が、お酒を勧める歌、「クォンジュガ」です。お酒を交わしながら、お互いの健康や長寿を願う内容の歌です。今日の最初は、「クォンジュガ」のひとつで、お互いの長寿を願う内容の詩、時調(シジョ)を歌にした曲です。長生きをして、鉄の柱からお花が咲いて実を結ぶと、その実をとって食べて、また一億万年を生きるように、という内容です。イ・ジュンアさんの歌で、「천세를、一千歳」という曲をお楽しみください。


伝統芸能パンソリにも、「クォンジュガ」に関する歌があります。まず、「フンボの歌」には、意地悪な兄ノルボが、お金持ちになった弟フンボの家を訪ねる場面があります。フンボの妻は、色んな御馳走を用意しましたが、ノルボは、クォンジュガがないとお酒が飲めないと言います。そして、フンボの妻に対し、綺麗におしゃれをしたついでに、クォンジュガを歌って欲しいと言います。当時、クォンジュガを歌うのは、芸者キーセンのすることだったので、フンボの妻には侮辱的なことです。また、「春香(チュンヒャン)の歌」には、イ・モンリョンが潜行して地方を回る勅使になり、ホームレスの姿で地方官の誕生日の宴会に参加する場面があります。地方の偉い人が集まる宴会にホームレスが入ってきては、クォンジュガを歌って欲しいと求めるんです。キーセンは、仕方なく歌うものの、不満でいっぱいです。キーセンの立場では、自分がホームレスにまでクォンジュガを歌わなければならないのかと思ったからです。キーセンは、永遠に物乞いをしなさい、という内容のクォンジュガを歌いました。今度は、この場面の歌をご紹介いたします。オ・ジョンスクさんの歌で、「춘향가 중 기생이 권주가 부르는 대목、春香の歌のうち、キーセンがお酒を勧める歌を歌う場面」という曲をお楽しみください。


「チャンジンジュサ」という曲は、朝鮮時代中期の文人、チョン・チョルさんが作ったクォンジュガです。お酒を一杯飲むたびにお花を一輪ずつ置いて、その数を数えるという内容です。花畑で風流を楽しむ姿が浮かぶ曲です。最後にご紹介するクォンジュガは、「チャンジンジュサ」をはじめ、お酒を勧める色んな歌の歌詞を組み合わせた曲です。カセンイの歌と演奏で、「권주가、お酒を勧める歌」という曲をお楽しみください。お酒、または、お茶と共に楽しめる歌です。クォンジュガには、亡くなってからは誘ってくれる人もいないから、お墓の中で後悔せず、今のうちに楽しもう、などという面白い歌詞がたくさんあるんです。

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