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文化

「最近のヤンバン」ほか

#国楽の世界へ l 2022-12-12

国楽の世界へ

「最近のヤンバン」ほか

朝鮮時代の上流階層ヤンバンは、大変な権力を持っていました。朝鮮時代後期、パク・チウォンという学者ソンビが書いた「ヤンバンチョン」という小説では、ヤンバンになりたがるあるお金持ちに、ヤンバンについて話す内容があります。他人の牛で畑を耕し、他人の使いを横取りして仕事をさせても、そむく者がないということです。そのお話を聞いたお金持ちは、自分は泥棒にはなれないとし、二度とヤンバンになりたいと言わなかったそうです。小説なので誇張もあると思いますが、当時、民がヤンバンをどのように思っていたのか推測できます。このようなヤンバンを、年に一度や二度は、思う存分からかうことができました。小正月のチョンウォルテボルムなどになると、タルチュムという仮面の踊りを楽しむのですが、賢い使いが登場し、愚かなヤンバンをからかう場面が必ずあったのです。ヤンバンもこの日だけは怒るのではなく、思う存分楽しむようにと、お小遣いまであげたとのことです。この日だけ我慢すれば、また一年間は気楽に過ごせるからです。今日の最初は、国楽電子流浪団の歌で、使いがヤンバンを冷やかす場面をテーマにした、「요즘 양반、最近のヤンバン」という曲をお楽しみください。


11月30日、韓国のタルチュムが、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。2001年、宗廟(チョンミョ)祭礼と宗廟祭礼楽をはじめとして、今年のタルチュムに至るまで、韓国の22の無形遺産が登録されたことになります。一概にタルチュムといっても、地域ごとに固有のタルチュムがあるんです。獅子の遊び、官庁の奴婢が楽しむ仮面劇、市場など人の通りが多いところで楽しむ遊び、畑で楽しむ遊びなど、様々な種類があります。アンドンという地域では、ハフェビョルシングッの仮面遊びタルノリというものが有名です。このタルノリは、遊び方そのものも国の無形文化材に登録されていますが、タルチュムで使用する「ハフェタル」という仮面も国宝として登録されています。ハフェタルは、韓国の「ペーパー・ハウス・コリア」というドラマでも、重要な小物として使われ、話題になりました。それでは、ブラックストリングの演奏で、「マスクダンス」という曲をお楽しみください。


タルチュムは、地域ごとに登場人物や仮面の作りが違いますが、共通点もあります。地域ごとの仮面の遊びに、韓国にはない獅子がよく登場するのも面白いところです。獅子が、あらゆる鬼神を追い出してくれると信じました。使いが主人のヤンバンをからかう内容もあります。若い頃別れ離れになった夫婦が歳をとってから再開したところ、お婆さんは苦労をしてお爺さんを探していたものの、お爺さんは若い妾と幸せに暮らしていたというお話もあります。今日の最後は、ボンサンタルチュムに登場するお婆さんの名前、「ミヤル」という曲を、キム・ドクスさん他の演奏でお楽しみください。厳しい身分制度、家父長制の社会で、使いがヤンバンをからかうとか、妾と暮らすことなどを、ユーモアに表現するのが特徴です。ヤンバンが、そんなタルチュムを支援したのは、普段我慢していた感情を遊びで発散できるようにということだったようです。

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