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文化

「キンアリラン」ほか

#国楽の世界へ l 2023-02-21

国楽の世界へ

「キンアリラン」ほか

韓国を代表するものといえば、K-POP(ケー・ポップ)があります。また、プルコギ、キムチのような食べ物をはじめ、国旗の太極旗(テグッキ)や民族衣装のハンボクなど、多様なものがあります。歌の中で、一番先に浮かぶのは、「アリラン」です。アリランは簡単で発音もしやすい上、同じ歌詞を繰り返すので、外国の方もすぐに歌うことができます。それで、地域ごとに多様なアリランが作られました。今でも新しいアリランが作られています。ユネスコは、古い民謡でありながらも、このように強い生命力を持ったアリランを、2012年に人類無形文化遺産に登録しました。今日は、普段はあまり聴くことがない難しいアリランをご紹介したいと思います。まずは、京畿(キョンギ)の民謡、長いアリラン「キンアリラン」という曲です。


韓国の民謡には、長いという意味の「キン」とか、速いという意味の「チャジン」という表現がつく曲がたくさんあります。普通は、キンとチャジンがペアになって、「キンユクチャベギ」と「チャジンユクチャベギ」のようになっています。ところが、長いという意味のキンと、速いという意味のチャジンは、ペアにするには少し似合わないような気もします。民謡で、キンとは、歌詞が多くて歌が長くなることではなく、とてもゆっくり歌うので長くなってしまうことを意味するからです。今度は、西道(ソド)の民謡、「チャジンアリ」という曲です。北韓の平安道(ピョンアンド)地域で歌われていた、「キンアリ」と「チャジンアリ」のうちの速い方の曲です。先ほどの京畿の民謡「キンアリラン」と構成が似ている面があります。「キンアリ」では深いため息と悲しみを表現し、「チャジンアリ」では少し速いテンポに合わせて楽しく歌います。軽快なサビを繰り返すところが面白い曲です。


日曜日は、氷が溶けるという、雨水という節季でした。雨水と、冬ごもりをしていた動物が活動するという啓蟄が過ぎると、凍っていた川が溶けて、人々が船で移動できるようになります。だから、この時期になると、別れの歌が多く作られたといいます。江原道(カンウォンド)のインジェという地域では、独特なアリラン、「筏)のアリラン」という曲を歌いました。漢江(ハンガン)の上流にある江原道は、山が高く、良い木材で有名です。朝鮮時代末、王宮、景福宮(キョンボックン)を建てるときも、江原道の木材を使いました。木材は陸路では運ぶのが大変なので、筏にして水路で首都漢陽(ハンヤン)まで運んだそうです。水路で木材を運ぶのは、危険な区間も多く、何日も眠れず苦労をしなければならなりませんでした。でも、無事に到着すると、かなりのお金を手に入れたといいます。川で寂しい気持ちになったとき歌ったのが、この「筏のアリラン」です。

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