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文化

「綱渡り」ほか

#国楽の世界へ l 2023-04-18

国楽の世界へ

「綱渡り」ほか

朝鮮時代後期に活動した流浪の芸人に、ナムサダンペという集団があります。親方のコッドゥシェを中心に、数十人が色んな地域を回り、芸能を披露して食事や宿舎の提供を受けます。プンムルという農楽、皿回し、仮面を被る遊び、木の人形劇などがあります。ナムサダンペは男性だけで構成されるのが特長です。ところが、ナムサダンペの歴史の中で最も有名な人物は、バウドグィという女性です。彼女は5歳の時からナムサダンペで活動しましたが、15歳の頃になると彼女の芸がなんと立派だったのか、ナムサダンペをバウドグィペと言ったほどです。中でも優れていたのが、綱渡りです。朝鮮時代末、興宣大院君(フンソンテウォングン)が景福宮(キョンボックン)を再建したときのことです。全国から集まった労働者を慰めるため、芸人の集団を招いて公演をすることがありました。バイドグィも公演を披露しましたが、興宣大院君はその芸に感嘆し、オククァンジャという、頭巾のひもを通す宝石がついた輪を授けたというお話が伝わります。


ナムサダンペは流浪の集団ではありましたが、仏教のお寺を根拠地として活動しました。お寺のお守りを販売したり、お寺の施主を名目に活動し、収入があるとその一部をお寺に捧げる形です。バウドグィペは、京畿道(キョンギド)アンソンという地域にある、チョンリョンサというお寺を根拠地として活動したそうです。その時代、彼女がどれだけ有名だったのか、彼女に関する歌まであったといいます。しかし、残念なことに、彼女は20代初めに亡くなりました。アンソンにあるチョンリョンサの近くには、彼女のお墓と位牌堂があるんです。ナムダサンペの遊びのうち、「ドルミ」というものがあります。木の人形劇ですが、人形の首筋を捕まえて動かすということで、首筋という意味の「ドルミ」という名前になりました。主人公は、パク・チョムジというお爺さんで、その妻は操り人形に出てくる、目と鼻と口が歪んだ奇形な顔の「コッドゥガクシ」です。若い頃、パク・チョムジと別れ、歳をとってから再開するという内容です。ところが、お爺さんは妻を捨てて、二番目の妻を選択するというお話です。


ナムサダンペの綱渡りは、凍ったところを歩くようにハラハラするからといって、氷という意味の「オルム」といいます。綱渡りをする芸人は、「オルムサンイ」といいました。韓国の伝統的な綱渡りは、3メートルほどの高さで、西洋よりは低い位置で行います。しかし、綱が張った状態ではなく、ゆるいため、オルムサンイは揺れる綱の上を進むことになります。綱渡りをしながら芸を披露し、観客とコミュニケーションをするのが大きな特徴です。綱の下には楽師が座っていて、芸に合わせた音楽を演奏したり、どんな芸を披露するか説明をします。ナム・チャンドンさんは8歳のとき綱渡りをはじめ、今は20代初めの若者です。父のナム・ヘウンさんとよく舞台に上がります。ナム・ヘウンさんはパンソリをする方で、クァンデの役割にぴったりですし、親子が共感できる面もあるといいます。

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