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論点

慰安婦被害者の訴訟始まる

2019-11-16

ニュース

ⓒYONHAP News

元慰安婦被害者とその遺族ら20人が日本政府に賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が13日、ソウル中央地方裁判所で開かれました。

この訴訟は2016年12月に起こされましたが、日本政府は訴状の受け取りを拒否したことから、審理に入ることができず、 3年ぶりにようやく審理開始となる第1回口頭弁論にこぎつけました。

日本政府は、外国の裁判所が裁判文書の送達や証拠調べといった法的効果を伴う行為を行う際は当該国の同意が必要だと規定したハーグ条約を根拠に訴状の受け取りを拒否しました。

ハーグ条約は韓国と日本がともに加盟しています。

日本政府が訴状の受け取りを拒否したことから、ソウル中央地方裁判所は、裁判所の掲示板に訴状を掲示する公示送達の手続きに入りました。

公示送達とは、相手方が不明の場合、相手方の住所や居所がわからない場合、相手方が海外に住んでいてその文書の交付の証明が取れない場合などに、法的に送達したものとする手続きです。

裁判所はことし5月9日の時点で訴状が相手に送達されたとみなし、審理開始の方針を決め、11月14日を第一回口頭弁論の期日に選定しました。

元慰安婦被害者らは日本政府に一人当たり2億ウォンの損害賠償を求めていますが、原告側弁護士は13日の第1回口頭弁論で「金銭的賠償が目的ではなく、日本の人道に反する犯罪行為を司法に確認してもらうための訴訟だ」と述べました。

原告側は「主権免除」について、「重大な人権侵害には適用されない」との立場を主張しました。

裁判長は原告側に対して、「主権免除に関して説得力のある説明をしなければならない」と述べ、今後の審理では主権免除を認めるかどうかが争点となる見通しです。

一方、国際連合との協議資格をもつ人権団体のアムネスティ・インターナショナルはこの裁判に関連して、「被害者らが韓国の裁判所で日本政府を相手に賠償を求める権利は「主権免除」「請求権協定」「時効」などを理由に制限されるべきではない」とする意見書を裁判所に提出しました。

この裁判は、民間企業を相手に賠償を求めた徴用工裁判とは違い、日本政府を相手取った訴訟ということで関心が寄せられています。

国際法に詳しい専門家は、「国際法上、他国の政府を被告にして、一方的な判決を言い渡すことは異例だ」と指摘し、日本政府に賠償を命じる裁判結果にはならないだろうとの見方を示しました。

韓国では、裁判で「主権免除」を認める判断が下され、日本政府に賠償を命じる裁判結果にはならないとの見方が強いものの、裁判の結果によっては韓日間の緊張がさらに高まる恐れもあり、今後の審理が注目されています。

この日の審理は準備書面の朗読と原告発言だけで20分余りで終了しました。

次回の審理期日は来年2月5日の予定です。

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