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論点

減少続く出生率

2019-03-03

ニュース

ⓒKBS News

韓国の合計特殊出生率が初めて1人未満となりました。

一方で死亡者数は29万8900人と過去最大になり、人口増加数は1970年以降最も少ない2万8000人にとどまりました。

合計特殊出生率は、1人の女性が出産可能とされる15歳から49歳までに産む子どもの数の平均を示します。

統計庁が27日に発表した「2018年出生と死亡に関する統計」を見ますと、去年の合計特殊出生率は0.98人でした。

これは人口の維持に必要な出生率の半分に満たない水準で、統計庁は、今後、人口の減少が加速化する恐れもあると説明しました。

人口を維持するために必要な合計特殊出生率は2.1人です。

韓国の合計特殊出生率は、OECD=経済協力開発機構加盟国の35か国の中で最下位でした。

合計特殊出生率が1人未満なのは韓国だけです。

2016年のOECD加盟国の合計特殊出生率の平均は、1.68人でした。

人口1000人に対する出生数の割合を示す粗出生率は6.4人で、前の年に比べて0.6人、8.8%減りました。

統計庁は当初、人口減少に転じる時期を2028年としていましたが、昨今の状況から人口減少に転じる時期がさらに早くなる可能性が高くなっています。

年齢別の出生率を見ますと、40代以上を除いたすべての年齢で減少しました。

出生率が最も高かったのは30代前半でした。

20代後半の出生率は急減し、初めて30代後半より低くなりました。

10年前には20代後半の出生率は30代後半の4倍に上っていました。

人口1000人に対する出生数の割合を示す粗出生率は、20代後半は41人で前の年より6.9人減少し、30代前半は91.4人で6.3人、30代後半は46.1人で1.1人減少しました。

一方で40代前半の粗出生率は6.4人で前の年より0.4人増えました。

35歳以上の高齢出産の割合は31.8%で、前の年より2.4ポイント増加し、平均出産年齢は32.8歳で、前の年より0.2歳高くなりました。

政府は2006年から少子高齢化に備えた対策を発表、出産奨励策などを打ち出していましたが、その効果はあまりなかったことになります。

2016年から2020年まで5年間の少子高齢化対策基本計画では、合計特殊出生率の目標は1.5人でしたが、今回の統計はその目標に大きく及びません。

政府の対策が効果を出していないのは、より根本的な原因を度外視してるためだとする指摘もあります。

政府は出産奨励に努めていますが、出生率低下の原因としては、若年層が安定した雇用や住居が保障されず結婚や出産を放棄していること、安心して子どもを任せることができる保育施設が不足していることなどが挙げられています。

そのため政府は少子化対策を「出産奨励」から「生活の質向上」に転換することにしました。

若年層の生活の質を向上させることができる政策を進めることで、中長期的に出生率低下の問題を克服していくことにしたものです。

このままでは生産年齢人口が激減する人口絶壁に直面するのは時間の問題です。

政府のより多角的な対策が求められています。

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