自己啓発本『セイノの教え』
2024-03-21
文在寅大統領は12日、訪問先のノルウェーで、韓半島の平和定着に向けた構想を明らかにしました。
ノルウェーを国賓として訪れた文在寅大統領は、シンガポールでの初の米朝首脳会談から1年となったこの日、オスロ大学で開かれたオスロ・フォーラムで基調演説を行いました。この中で非核化や統一後ではなく、南北の住民が今の時点で平和を共に体感し、享受することが、非核化と分断克服に向けた動力になるという考えを示しました。
オスロ・フォーラムは、ノルウェー外務省と人道主義対話のためのセンターが共同主催するフォーラムで、世界の紛争解決について話し合います。
文在寅大統領は演説で、「平和が国民の暮らしに実質的に結びつくとき、国民は積極的に分断を克服し、平和を作り出すことに努める」と指摘し、「平和が私たちの暮らしを向上させることにつながるという肯定的な考えが広がるとき、理念と思想によって断たれた心の分断も癒やされるだろう」と述べました。
そのうえで、武力衝突がないだけの消極的な平和にとどまることなく、より積極的な平和に向けて前進することが重要だとして、そのためには南北間の交流と協力を通じて国民の生活を向上させることに努めるべきだとしました。
文在寅大統領は、韓半島に平和が定着してこそ、北東アジアに残っている冷戦構造を終結させ、世界平和にもつながると指摘し、交流と協力を通じて国民の生活を向上させる積極的な平和こそが非核化と平和定着という大きな流れを作り出すことができると強調しました。
文在寅大統領はまた、この日の演説で、境界地域委員会の設置を提案しました。
文在寅大統領は、国民の生活を向上させる積極的な平和に関連して、まずは軍事境界線付近の住民の日常生活における被害を解消する必要があるとして、統一前の東西ドイツに置かれていた国境地域委員会で協力を進めた事例を指摘しました。
東西ドイツは1972年に締結した基本条約に基づいて国境地域委員会を設置し、自然災害や環境汚染など多様な懸案について意見を交換し、共同で解決策を探ってきました。
東西ドイツは当時、分断していたにもかかわらず、こうした国境地域委員会を通じて積極的に意見交換を進めたことが、のちの東西ドイツの統一につながったとされます。
文在寅大統領は、軍事境界線付近では山火事や家畜の伝染病が発生しても南北が共同で対処することができず、住民の生活を脅かしているとして、境界地域委員会が設置されれば、平和定着に向けた礎になるだろうとしました。
文在寅大統領は、今の時点で必要なのは新たな宣言ではなく、相互理解を深め、信頼を築くことだと指摘しました。また米朝交渉が膠着していることについては、70年間に及ぶ敵対関係を解消するために必要な一つの過程だとして、米朝の交渉再開に期待を示しました。
2024-03-21
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