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論点

大法院、ビザ発給拒否は違法

2019-07-13

ニュース

ⓒYONHAP News

アメリカ市民権を取得して兵役を回避したとみなされ韓国への入国が禁じられた歌手のユ・スンジュンさんがロサンゼルス総領事館を相手にビザ発給拒否の取り消しを求めた裁判で、最高裁に当たる韓国大法院は11日、原判決を破棄し、ソウル高等裁判所に審理を差し戻す決定を行いました。

ユ・スンジュンさんは1997年4月にデビュー、ダンス歌手として高い人気を集めましたが、入隊直前の2002年1月に韓国国籍を放棄し、急遽アメリカ市民権を取得、兵役を回避しました。

ユ・スンジュンさんはテレビ番組などで兵役の義務を務めるとしていたことから、意図的に兵役を回避したとして、「嘘つき」「裏切り者」と非難する世論が高まりました。

韓国憲法第39条は「全ての国民は法律が定めるところにより国防の義務を負う」と規定しています。

兵役は韓国の男性に課せられた神聖な義務であり、非常に敏感な問題です。

それだけに人気歌手が意図的に兵役を回避したことで批判的な世論が高まるのは致し方ないことです。

法務部は世論の悪化を受けて、ユ・スンジュンさんが「大韓民国の利益および公共の安全を害する行動をする恐れがあると認められる」として、韓国への入国を制限する措置を取りました。

出入国管理法第11条は、大韓民国の利益および公共の安全を害する行動をする恐れがあると認められる人物について、法務部が入国を制限する措置を取ることができると定めています。

ユ・スンジュンさんは2002年2月に仁川国際空港から入国しようとしましたが、入国を拒否されました。

その後、中国で歌手や俳優として活動していたユ・スンジュンさんは、2016年にロサンゼルス総領事館を相手にビザ発給拒否処分の取り消しを求める訴訟を起こし、一審と二審で敗訴していました。

一審と二審は、「ユ・スンジュンさんが入国して芸能活動を続ければ、兵役義務を果たしている兵士らの士気を落とし、兵役回避の風潮がまん延することが懸念される」として、ビザの発給拒否が適法だとの判断を示しました。

大法院は、法務部の入国禁止措置は領事館がビザ発給を拒否する根拠にならないと指摘し、「領事館が裁量権を行使することなく、13年7ヶ月前の法務部の入国禁止措置を根拠にビザ発給を拒否したのは裁量権の不行使にあたり、違法だ」とする判断を示して、原判決を破棄、差し戻しを決めたものです。

ユ・スンジュンさんは再び韓国に入国できる道が開かれる見通しですが、兵役と関連した事情があるだけに、世論は依然として冷たいままです。

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