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論点

曺国法務部長官が辞任

2019-10-19

ニュース

ⓒYONHAP News

曺国(チョ・グク)法務部長官が14日、辞意を表明、9月9日の法務部長官就任から1カ月余りで辞任に追い込まれる形となりました。

曺国法務部長官は14日午前、記者会見で検察改革案を発表し、改革案を15日に閣議決定すると表明しました。

検察改革案発表から数時間後、午後2時には声明を発表、辞意を表明しました。

曺国氏は検察改革の主導役として就任しましたが、娘の大学入学や親族が関わった投資ファンドをめぐって不正疑惑が浮上、検察が捜査を進めています。

そのため曺国法務部長官に検察の改革を進める資格があるのかという批判もあり、野党からは「曺国長官に検察改革を語る資格はない」とする批判が出ていました。

文在寅大統領は先月、曺国氏を法務部長官に任命しましたが、野党の強い批判にさらされ、ソウル市内では反対派による「法務部長官辞任」を求める集会と、検察改革を求める支持派の大規模な集会が開かれました。

反対派と支持派の集会にはそれぞれ数十万人が参加、世論が二分される事態となっていました。

曺国氏は、文在寅政権の公約である「検察改革」を完成させる強い意思を示していましたが、曺国氏の法務部長官任命後、文在寅大統領の支持率は就任以降で最低の水準にまで低下し、一方で辞任を求める集会が拡大したことを受けて、法務部長官を続ければ検察改革は困難になると判断したものとみられます。

世論調査会社「リアルメーター」が同じ日に発表した10月第2週の世論調査では,文大統領の支持率は就任以来最低の41.4%となったほか、与党ともに民主党の支持率が35.3%、最大野党「自由韓国党」は34.4%で、その差が0.9ポイントにまで縮まるなど、このままでは文在寅政権へのさらなる打撃は避けられないとの見方もありました。

曺国氏は「検察改革を本格化させる役割はここまでだ」と題した声明で、「検察改革のための火付け役は終わった」としたうえで、「家族のことで大統領や政府に負担をかけてはならないと判断した」として、不正疑惑で家族が検察の捜査を受けていることが辞任の背景にあることを示唆しました。

曺国氏は家族をめぐる疑惑について謝罪しましたが、一連の疑惑については直接弁明しませんでした。

一方で、「国民が私を乗り越え、検察改革の成功のために力を合わせてほしい」として、検察改革の必要性を訴えました。

文在寅大統領は曺国氏の辞意表明を受けて開かれた大統領府青瓦台の首席秘書官会議で、「法務部長官と検察総長の理想的な組み合わせによる検察改革を目指したが、結果的に国民の間に対立をもたらしたことについて申し訳なく思う」と述べ、謝罪しました。

そのうえで、「検察改革について深く考える重要な機会になった。検察改革に最後まで邁進する」と述べ、曺国氏の辞任に関係なく、検察改革を推進する考えを強調しました。

曺国氏が発表した検察改革案には、△職権乱用などの批判を受けてきた検察庁の特捜部を7カ所から3カ所に縮小、△容疑者への長時間または深夜の取り調べを制限する人権保護規則の新設、△検察に対する法務部の監察制度の強化、など、検察権力の縮小を狙った内容が盛り込まれています。

曺国氏の法務部長官任命をめぐっては、文在寅大統領の支持率が就任以降で最も低い水準に低下し、与野党の支持率が逆転する危機に直面するなど、文在寅政権に少なくない打撃となりましたが、「検察改革」は今後とも推進されるものとみられます。

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