映画『破墓』
2024-04-03
経営難に陥った航空大手2位のアシアナ航空の売却交渉で、優先交渉権者にHDC現代産業開発と未来アセットの2社による企業連合が選ばれました。
アシアナ航空の筆頭株主、錦湖産業は12日、優先交渉権者と具体的な契約条件などについて協議を進め、年内に株式売買契約を締結する予定だと発表しました。
アシアナ航空の売却をめぐる入札には、HDC現代産業開発と未来アセットの企業連合のほか、格安航空会社の済州航空を傘下に持つ愛敬(エギョン)グループ、アクティビストファンドのKCGI(コリア・コーポレート・ガバナンス・インプルーブメント)、の3陣営が参加しました。そのうち2兆4000億ウォン以上を提示したとされるHDC現代産業開発と未来アセットの企業連合が優先交渉権者に選ばれました。
アシアナ航空の売却は、筆頭株主の錦湖産業の保有持分31%とアシアナ航空が発行する新株をHDC現代産業開発が買収する形で進められます。
筆頭株主の錦湖産業は、HDC現代産業開発との間で年内に株式売買契約を締結するとしていますが、売却手続きが完了するまでには多くの時間がかかる見通しです。
アシアナ航空は、1988年2月に韓国第2の民間航空会社として誕生しました。
国内路線だけでスタートしましたが、1990年に金浦・成田便を皮切りに国際路線にも就航するようになり、現在は航空機86機を保有、世界21カ国に71の国際線を就航させています。
母体企業は錦湖アシアナグループです。
アシアナ航空の昨年の売上は7兆1834億ウォンでした。
前の年より8.9%増え、創業以来最大でした。
しかし、営業利益は282億ウォンと前の年より88.5%減り、純損失は1959億ウォンと赤字に転じました。
ことし第2四半期の負債は9兆5989億ウォンで、負債比率は660%に迫っています。
アシアナ航空は黒字が続いていましたが、母体企業の錦湖アシアナグループの無理な事業拡張で社債発行や借入金が累積し財務構造が悪化、危機に陥りました。
錦湖アシアナグループは経営建て直し計画を債権団に提出しましたが、債権団が受け入れず、売却が決まったものです。
現代産業開発が提示したとされる2兆ウォン以上の資金がアシアナ航空に入れば、負債比率は277%に減り、再建の目処が立つことになります。
再建の目処が立てばより有利な条件で社債を発行できるなど、資金の確保も容易になる見通しです。
HDC現代産業開発がアシアナ航空を買収すれば、資産規模は現在の33位から17位に上がります。
HDC現代産業開発グループは免税店やホテルなども保有していて、航空会社を買収することで相乗効果も期待されます。
ただ、格安航空会社が加わったことで航空業界の競争が激化していて、一方では航空需要そのものが減っていることもあって、アシアナ航空の買収がHDC現代産業開発にとってマイナスに作用する可能性もあるとの指摘もあります。
また、資金繰りが苦しい錦湖アシアナグループがいわゆる「プレミアム」を要求するとみられることから、今後の本交渉は必ずしも簡単ではないだろうとする指摘もあります。
2024-04-03
2024-03-22
2024-03-21