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論点

徴用工問題、国会議長が解決策示す

2019-11-30

ニュース

ⓒYONHAP News

韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長は、懸案となっている元徴用工らへの賠償をめぐって包括的な解決策を示し、国会での立法化を目指しています。

文喜相国会議長が示した解決策は、韓国と日本の企業と個人から自発的な寄付を募るなどして基金を設立し、徴用工被害者や慰安婦被害者らに慰謝料を支払うというものです。

ドイツは、2000年に政府と企業による「記憶・責任・未来財団」を設立、第2次世界大戦中の強制労働被害者、89カ国の165万人余りに慰謝料を支給していて、文喜相議長が示した解決策はこうした例を参考したとされています。

解決策は、韓国と日本の企業や個人からの寄付で3000億ウォン、およそ280億円の基金を設立、徴用工被害者や慰安婦被害者に慰謝料を支給することにしています。

基金にはことし7月に解散した慰安婦被害者救済のための「和解・癒やし財団」の残金およそ60億ウォンも投入するとしています。

徴用工問題をめぐって、韓国政府はことし6月に、韓国と日本の企業による基金を設立し、賠償判決が確定した徴用工被害者に慰謝料を支給する案を提案しました。

しかし、日本政府は国際法違反の状態に変わりはないとして韓国政府の案を拒否しています。

文喜相議長が示した解決策は、韓国と日本の企業だけでなく個人からも寄付を募り、慰謝料の支給対象も、判決が確定した被害者だけでなく、まだ訴訟を提起していない被害者も含めることにしたという点で、韓国政府が6月に示した提案とは異なっています。

また、基金を通じて慰謝料が支給されれば、日本企業と被害者の間で和解が成立し、日本企業の賠償責任が免除されたものとみなすことにしています。

文喜相議長が示した解決策は、韓国政府が6月に提案した案に比べて包括的で根本的な解決策だとされています。

徴用工被害者は最大で数十万人とされていますが、韓国政府の案にはまだ訴訟を提起していない被害者に対する対策が盛り込まれていないという理由からでした。

文喜相議長の解決策は、まだ訴訟を提起していない被害者も慰謝料支給の対象に含めることで、こうした懸念を払拭しました。

包括的で根本的な解決策とされていますが、一方で実現するのは難しいのではないかとする指摘もあります。

こうした解決策が実現するには、まずは被害者が同意し、日本政府も同意しなければなりません。

また、判決が確定した被害者が基金から慰謝料を受け取ることを拒否し、最後まで日本企業に対して賠償金を支払うよう求める場合、問題は再燃するしかありません。

今のところ被害者団体は文喜相議長の解決策に反対しています。

一部の被害者団体は27日、国会議事堂前で記者会見し、文喜相議長の解決策に反対する立場を明らかにしました。

被害者団体は、文喜相議長の解決策は被害者の法的権利の行使を阻止し、加害者ではなく被害者を清算するための案だと批判しています。

文喜相議長の解決策について、日本政府は韓国の国会内での動きにはコメントしないとの立場で、今のところ態度表明はしていません。

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