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論点

米朝間に再び緊張高まる

#ニュース l 2020-01-04

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ⓒKBS News

北韓が交渉の期限だとしていた年末が過ぎ、米朝関係は以前の嫌悪な雰囲気に戻っています。

北韓は「新しい道」「正面突破」と言った表現を使ってアメリカを牽制し、一方のアメリカからは「軍事的措置」を警告する声が相次ぐなど、韓半島情勢は不確実性が高まっています。

アメリカのエスパー国防長官は2日、「軍事的措置が必要ならば今夜にでも戦う準備ができている。それが誰であろうとも、挑発があれば過酷な対応に直面するだろう」述べました。

これはイランを念頭に置いた発言でしたが、北韓に対する間接的な警告の意味もあったとされています。

トランプ大統領は去年12月、アメリカの軍事力は大きく強化されたとしたうえで、「軍事力を使用することを望まないが、必要ならば使用する」と述べました。

北韓はこれに対して、アメリカが軍事力を使用すれば迅速に相応の対応をするとして強く反発しました。

トランプ大統領の発言は、「クリスマスのプレゼントに何を選択するかはアメリカにかかっている」とした金正恩委員長の発言に対する警告の意味がありましたが、こうしたやり取りはその後も続いています。

金正恩委員長は年末の党中央委員会総会で「自力更生」と「正面突破」を強調し、新年の辞に代えました。

党中央委員会総会の報告内容は、米朝の対立が長期化するだろうと予想し、アメリカによる制裁を正面突破するとしています。

「自力更生」で経済を再建し、軍事力を強化することで制裁を「正面突破」するということです。

また金正恩委員長は、「近い時期に世界は新しい戦略兵器を目撃するだろう」と警告しました。

北韓は、2018年4月に核実験や大陸間弾道ミサイルの発射実験を中断すると宣言してから1年8カ月ぶりに、事実上、経済と核開発の並進路線に復帰したものと受け止められています。

アメリカの「軍事的措置」の警告について、北韓の労働党機関紙、労働新聞は社説で、「生存権を脅かす行為に対しては即時に強力な打撃を与えるべきだ」と主張しました。

年末にはアメリカが偵察機や哨戒機を相次いで韓半島上空に飛ばしましたが、北韓によるさらなる挑発はありませんでした。

しかし、北韓が核実験や大陸間弾道ミサイルの発射実験を再開しないという保証はなく、そうなればアメリカは軍事的措置を通じて局面転換を図る可能性も排除できない状況です。

一方、北韓は強気の姿勢を維持していますが、現状では自力更生による経済再建は不可能だとみられます。

依然として経済制裁は続いていますし、強硬路線に転換すれば中国の支援も期待できなくなります。

アメリカと北韓は相互批判と警告を繰り返していますが、幸い対話の可能性を閉じているわけではありません。

しかし当面は、局面転換のための突破口が開かれる可能性は低く、緊張が続くものとみられます。

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