メニューへ 本文へ
Go Top

論点

米中、「第1段階の合意」に署名

2020-01-18

ニュース

ⓒYONHAP News

アメリカと中国は15日、貿易交渉を巡って「第1段階の合意文書」に正式に署名しました。

アメリカが2018年7月に中国から輸入される1100余りの製品について追加関税措置をとって以来、米中は相互に追加関税を課し、貿易摩擦が顕在化しました。

トランプ大統領と中国の劉鶴(りゅうかく、リウ・ホー)副首相は15日、ホワイトハウスで「第1段階の合意」の文書に署名しました。

合意内容を見ますと、中国がアメリカ製品の輸入を1.5倍に増やすことや知的財産権の保護などが盛り込まれています。

中国は農産物を含むアメリカ製品の輸入を大きく増やし、アメリカは2月から制裁関税の一部を引き下げることにしました。

アメリカが求めていた知的財産権の保護、技術移転強要の禁止、為替操作の禁止なども含まれています。

第1段階の合意によって、中国はアメリカの農産物、工業製品、サービスなどについて、今後2年間に2017年より2000億ドル以上を多く輸入することになります。

一方のアメリカは中国製品1600億ドル相当に対する追加関税を賦課しないことにし、1200億ドル相当の中国製品については15%の関税を7.5%に引き下げることにしました。

今回の合意は貿易摩擦が本格化してから初めての合意ですが、中国は国有企業への補助金など産業政策の抜本的な見直しは拒んだままで、アメリカも中国製品のおよそ7割については制裁関税を維持したままとなっています。

貿易摩擦のさらなる拡大は避けられることになり、当面の不確実性はある程度解消されましたが、米中の対立は「薄氷の休戦」に過ぎないとされています。

今回の合意は、合意に違反すればアメリカが中国製品に対して制裁関税を復活させたり、追加関税を賦課できるとしていて、善意であった場合は、中国はアメリカ製品に対して報復関税を賦課できないようにしています。

貿易摩擦が完全に解消されたわけではないということです。

第1段階の合意は文字通り「薄氷の休戦」に過ぎず、今後より大きな摩擦に発展しないという保証はありません。

とは言え、韓国経済にとっては、今回の合意で当面の不確実性が解消され、プラスの効果が期待されています。

韓国の貿易でアメリカと中国が占める割合はおよそ40%です。

中国は韓国から素材・部品の中間財を輸入し、完成品を輸出しています。

中国からアメリカへの輸出が減ると、中国に中間財を輸出する韓国の輸出も減ることになります。

韓国経済は輸出に依存するところが大きく、米中の貿易摩擦が続くのは決して望ましくありません。

昨年不振だった韓国の輸出は新年になって回復の兆しが見え始めていて、米中が「第1段階の合意」に達したことで、今年は輸出の回復が見込まれています。

ただ、中国がアメリカ製品の輸入を増やすことで韓国製品の中国への輸出が相対的に減るのではないかとする懸念もあります。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >