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論点

韓進グループで経営権めぐる争い

2020-02-08

ニュース

ⓒYONHAP News

大韓航空を中核企業とする財閥、韓進グループで経営権をめぐる争いが続いています。

大韓航空機内で乗務員のナッツの出し方に怒って離陸を遅らせ、「ナッツ姫」と批判された趙顕娥(チョ・ヒョナ)元副社長の経営陣への復帰をめぐって、3月の株主総会を控えて、弟でグループトップの趙源泰(チョ・ウォンテ)会長との間での確執が続いています。

韓進グループは、航空会社の大韓航空、ジンエア、物流会社の韓進の他、韓進観光、KALホテルチェーンなどの会社があり、物流を中心に事業を展開しています。

創業者である趙重勲(チョ・ジュンフン)氏の長男、趙亮鎬(チョ・ヤンホ)氏が会長を務めてきましたが、2019年4月にアメリカで他界し、その後は長男の趙源泰氏が会長とグループ代表に就任しました。

経営権をめぐる争いは、大韓航空機内で乗務員のナッツの出し方に怒って離陸を遅らせて批判を浴びた趙顕娥元副社長の経営陣への復帰を、弟でグループトップの趙源泰会長が遅らせたのが発端となりました。

趙源泰氏は父の趙亮鎬氏が他界したあと、故人の遺言に沿って家族と協力していくとしたことから、中心の大韓航空とグループの総括は趙源泰氏が、KALホテルチェーンなどの会社は姉の趙顕娥氏が経営するのではないかとみられました。

しかし、趙源泰氏はその後、経営権強化に動き出し、趙顕娥氏の経営陣復帰は実現せず、趙顕娥氏が経営するとみられたKALホテルチェーンのトップには趙源泰氏側の人が就くなどして、趙顕娥氏が不満を爆発させることになりました。

趙顕娥氏は、2014年のいわゆる「ナッツ騒動」で一線から退くまでは経営に積極的に関わってきましたが、経営陣への復帰が実現しなかったため、趙源泰氏への不満を爆発させたものとみられます。

趙顕娥氏は昨年12月に弁護士事務所を通じて声明を発表、趙源泰氏の経営方針は家族で協力していくよう促した「父の遺訓」に反していると批判しました。

これに対して趙源泰氏側は「国民と顧客の信頼回復こそが父の遺訓だと信じている」と反論しています。

趙顕娥氏は投資ファンドのKCGIと協力し、株主総会で議決権行使を行うことを明らかにするなど全面対決の姿勢を打ち出しています。

趙顕娥氏とKCGIなどは韓進グループの持株会社である韓進KALの株31.98%を確保しています。

一方の趙源泰氏側は、友好勢力とされるデルタ航空やIT大手カカオなどの保有分、趙源泰氏への支持を表明した母と妹の保有分を含めると合わせて33.45%を確保しています。

今のところ趙源泰氏側がやや優勢ですが、その差は大きくなく、来月の株主総会で趙源泰氏の会長再任が確実とは言えない状況です。

主要株主の一つである国民年金公団がどちらにつくかによって結果は大きく左右される可能性があります。

ただ、国民年金公団は外部の諮問機関の報告書に基づいて議決権を行使しますが、今のところ外部諮問機関が趙源泰氏の再任に反対する、これといった名分はなく、株主総会では趙源泰氏が再任される可能性が高いとの見方が強まっています。

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