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論点

再び飛翔体発射、一方で韓国に親書

2020-03-07

ニュース

ⓒYONHAP News

北韓は2日、東部の元山付近から東の海、東海に向けて飛翔体2発を発射しました。

韓国軍の合同参謀本部によりますと、飛行距離は240キロ、最高高度は35キロに達しました。

北韓の朝鮮中央通信は3日、金正恩委員長が2日に朝鮮人民軍の「長距離砲兵隊」の火力打撃訓練を視察したと報じ、新たに開発した超大型ロケット砲の発射に成功したとして、飛翔体が炎を出して発射される写真を公開しました。

一方、韓国軍当局はこの「超大型ロケット砲」について「弾道ミサイルと推定される短距離の飛翔体」という表現を使いました。

北韓の超大型ロケット砲の射程は400キロに達するとみられていて、韓国軍当局は事実上の弾道ミサイルだとしています。

北韓は昨年末に「衝撃的な実際行動」に踏み切ると威嚇しましたが、これまで具体的な動きはありません。

北韓は今回のような火力打撃訓練を2015年1月、2016年3月、2017年4月の3回にわたって実施していますが、今回の訓練はこれまでで最も規模が小さく、今回の発射した飛翔体は比較的短距離だったことから、北韓が「実際行動」の水位を調節しているのではないかとする分析もあります。

北韓は新型コロナウイルスの感染対策として中国との国境を封鎖していて、住民の生活にも影響が出ていることから、今回の飛翔体発射は軍事的緊張を高めることで内部の結束を図る狙いがあったとする見方もあります。

一方、金正恩委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長は3日に発表した談話で、飛翔体を発射した火力打撃訓練は「誰かを威嚇しようと行ったものではない」「自衛的行動だ」と主張しました。

そのうえで、飛翔体発射に遺憾の意を示した韓国大統領府に対して、「不信感と軽蔑が増すだけだ」と強く非難しました。

金与正氏が談話を発表するのは初めてで、北韓指導部でより重責を担うようになったのではないかとする見方もあります。

かと思えば、金正恩委員長はその翌日の4日、韓国の文在寅大統領宛てに親書を送ってきました。

親書の具体的な内容は公開されていませんが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「韓国がウイルスに必ず勝ち抜けると信じている。南の同胞の大切な健康が守られることを祈る」という内容だったということです。

韓国大統領府関係者によりますと、金正恩委員長の親書には、文在寅大統領の健康を心配し、友情と信頼を表す言葉も含まれていたということです。

文在寅大統領は5日に感謝の意を表わす返信の親書を金正恩委員長宛てに送りました。

3日には金与正氏が談話で韓国大統領府を強く非難し、翌日には金正恩委員長が慰労の親書を送ってきたことから、北韓の真意に関心が寄せられています。

北韓は今のところ新型コロナウイルスの感染者はいないと主張していますが、その信ぴょう性が疑われています。

北韓の国営メディアも最近、外国への出張者や感染が疑われる人、合わせて7000人余りについて隔離措置を行っていると報じているからです。

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