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論点

決裂から1年、米朝首脳会談

2020-02-29

ニュース

ⓒYONHAP News

去年2月のベトナムのハノイで開催された2回目の米朝首脳会談から1年が経ちました。

シンガポールでアメリカのトランプ大統領と北韓の金正恩国務委員会委員長による史上初の米朝首脳会談が開催されたには、おととし2018年6月でした。

会談後に発表した共同声明では、新たな米朝関係や韓半島での恒久的で安定的な平和体制を構築するために、トランプ大統領は北韓に安全の保証を約束し、金正恩委員長は非核化に向けた揺るぎない決意を確認したとしました。

去年2月に開催された2回目の首脳会談では非核化に向けた具体的な方策について合意するのではないかと期待されましたが、結果は決裂でした。

アメリカ側は核施設や化学兵器・生物兵器と関連する施設、弾道ミサイル、ミサイル発射装置とそれら関連施設の完全な廃棄を求めたの対して、北韓側は寧辺の核施設のみの廃棄と経済制裁の解除を提案したとされています。

会談が決裂した理由について、アメリカは「北韓が全面的な制裁解除を求めて譲らなかった」とし、一方の北韓は「部分的な制裁緩和のみを要求した」と主張しました。

いずれにしても双方の隔たりは大きく、会談は決裂し、合意文書は調印されませんでした。

その後、北韓は2019年末を交渉の期限と定め、アメリカに対して考え方を変えて「新たな計算法」を示すよう求めました。

去年10月にはスウェーデンのストックホルムで米朝実務者協議が行われましたが、ここでもこれといった進展はありませんでした。

この間、北韓は相次いで短距離ミサイルを発射、交渉の期限とした12月には国営メディアを通じて北西部・東倉里の西海衛星発射場で「非常に重大な実験を行って成功した」と発表するなど、アメリカに対する圧迫を強め、米朝対立の再燃の可能性にも言及しました。

一方、トランプ大統領は自身の弾劾裁判や大統領選などの国内の懸案やイラン情勢への取り組みもあって、北韓問題への関心はすっかり薄れたかのようでした。

アメリカのCNNは最近、トランプ大統領が側近らに、11月の大統領選が終わるまでは北韓の金正恩委員長との首脳会談は望まないと伝えたと報じました。

アメリカの大統領選では北韓問題は重要な争点になっていないため、トランプ大統領としては、北韓との関係がこじれた場合のリスクの方が大きい判断したとみられます。

結局、去年、2回目の米朝首脳会談からのこの1年は、具体的な進展な何もないまま過ぎてしまいました。

アメリカは11月の大統領選を控えている一方、北韓も新型コロナウイルスの感染防止に国を挙げて取り組んでいることもあり、当分は米朝協議が再開される可能性は低いとみられています。

北韓は去年末の労働党中央委員会総会で「自力更生」で制裁を乗り切るとの方針を決め、1月には平壌市内で、「自力更生だけが生きる道」などと書かれたプラカードを掲げた決起集会が開かれるなど、北韓も長期戦に備えているもようです。

幸い北韓は大陸間弾道ミサイルの発射といったアメリカを刺激するような挑発は控えていますし、アメリカも北韓との対話を続ける姿勢は維持しています。

しかし、少なくともアメリカで大統領選挙が終わるまでは、米朝対話の進展は当面、望めない状態が続きそうです。

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