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論点

アシアナ航空の売却交渉が決裂

2020-09-19

ニュース

ⓒYONHAP News

韓国の航空大手、アシアナ航空の売却交渉が決裂しました。

アシアナ航空はグループの経営が悪化し、去年からHDC現代産業開発と売却に向けた交渉を続けていましたが、アシアナ航空の筆頭株主、錦湖産業は11日、売却に向けた交渉が決裂したと明らかにしました。

新型コロナウイルスの影響で経営環境が大きく変わったことが交渉決裂の背景にあるとされています。

アシアナ航空は財閥の錦湖アシアナグループの傘下に入っていますが、グループの資金繰りが悪化したことから大赤字となり、去年4月に売却されることが決まりました。

去年11月には不動産大手の現代産業開発が中心となった企業連合が優先交渉権者に選ばれ、12月にはアシアナ航空の筆頭株主、錦湖産業と株式売買契約を締結しました。

現代産業開発は錦湖産業が保有するアシアナ航空の株式を3220億ウォンで買収し、アシアナ航空が発行する2兆1772億ウォン相当の新株を引き受けることにし、順調に売却が進むかのように見えましたが、今年に入ってから状況は急変しました。

新型コロナウイルスの影響で、経営を取り巻く環境が大きく変わる中、アシアナ航空の負債はさらに増え、現代産業開発は条件の見直しを求めました。

産業銀行など債権銀行と錦湖産業はこれに対して、株式の買収価格を1兆ウォン相当引下げる案を提示しましたが、結局は折り合いがつかず、交渉は決裂しました。

交渉が決裂したことを受けて、韓国政府はアシアナ航空に2兆4000億ウォン、およそ2100億円の支援を行うことを決め、アシアナ航空は今後、産業銀行の管理下で新たな売却先を探すことになりました。

政府は、アシアナ航空に対して基幹産業安定基金から1兆9200億ウォンを貸出し、4800億ウォン相当の新株予約権付き転換社債を引き受けることにしています。

アシアナ航空は2018年には黒字となっていましたが、錦湖アシアナグループの資金繰りが悪化したことで2019年に大赤字を出して売却が決まりました。

新型コロナウイルスの影響で各国の航空会社が苦戦する中、アシアナ航空は今年に入ってから経営がさらに悪化しています。

アシアナ航空の負債比率は2千%を超え、資本金の50%以上が欠損する状態となっていて、経営正常化は容易ではありません。

アシアナ航空の社員は9000人余りで、二つの格安航空会社も抱えています。

売却が順調に進まない場合、経済全般に及ぼす影響も侮れません。

債権銀行の産業銀行は、新型コロナウイルスが収束し、経営環境が改善すれば、再び売却交渉を進めるとしていますが、少なからず時間がかかる見通しです。

新型コロナウイルスの影響で航空産業は大きな打撃を受けていて、韓国では格安航空の済州航空やイースター航空の買収合併も立ち消えになっています。

航空産業は当分は厳しい状況が続きそうです。

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