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論点

監査院、月城原発廃炉の監査結果を発表

2020-10-24

ニュース

ⓒYONHAP News

韓国の監査院は20日、月城原発1号機廃炉に関する監査結果を発表し、早期廃炉を決定する過程で採算性が過小評価されたと指摘しました。

月城原子力発電所は、韓国南東部の慶尚北道慶州市にある原子力発電所で、1号機の出力は67万9千キロワットでした。

1982年に稼働を開始、2012年に30年の設計寿命を超えました。

韓国原子力安全委員会は2015年2月に1号機の稼働期間を2022年まで延長することを決めましたが、2019年には採算性が低いという理由から廃炉にすることが決まり、実際に廃炉になりました。

月城原発1号機の廃炉決定は文在寅政権が進めている脱原発政策の象徴ともされていましたが、早期廃炉を決定する過程で運営会社の韓国水力原子力が採算性を不合理に低く評価したとする疑惑が浮上していました。

韓国水力原子力は当初、月城原発1号機を継続して稼働する方針を決め、5900億ウォン余りを投じて老朽設備を補強し、2018年3月には月城原発1号機を継続して稼働する場合の利益が3707億ウォンに上るとする資料を提示しました。

しかし、その3カ月後には継続稼働による利益を224億ウォンに引き下げたことから、政府の脱原発政策に合わせて意図的に採算性を過少評価したとのではないかとする疑惑が浮上しました。

国会は昨年9月、監査院に対して早期廃炉の妥当性についての監査を請求し、翌10月から監査が始まりました。

監査結果は、月城原発1号機の早期廃炉を決定する際の採算性の評価について、運営会社の韓国水力原子力と産業通商資源部が電力の販売単価の基準を任意に変更し、結果的に販売収益を低く見積もり、一方で廃炉によって節減できる費用は過大に評価したと指摘しました。

監査院は廃炉を決定する過程で採算性が過小評価されたと結論付けましたが、これで問題が解決したわけではありません。

今回の監査は早期廃炉の採算性の評価に関する監査で、監査院は早期廃炉自体については意見を保留しました。

監査院は、早期廃炉は採算性だけでなく、安全性や地域住民の意見などを総合的に判断して決定すべきことで、安全性や地域住民の意見は今回の監査の対象ではないとの立場を示しました。

最大野党「国民の力」は監査結果について、文在寅政権の脱原発政策に対する「死亡宣告」だとしたうえで、韓国水力原子力と産業資源部が共謀して採算性を意図的に過小評価し、事実を隠ぺいしたことが明らかになったとして、関係者の処罰を求めました。

一方、与党「共に民主党」は、今回の監査は採算性の評価に関する監査で、早期廃炉の妥当性を否定しているわけではないとしています。

産業通商資源部は報道資料を発表し、「今後もエネルギー転換政策を揺るぎなく進めていく」との立場を明らかにしました。

世界的には脱原発の動きが進んでいることもあって、文在寅政権の脱原発政策に大きな変化はないものと予想されます。

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