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論点

SKハイニックス、インテルのメモリー事業を買収

2020-10-24

ニュース

ⓒYONHAP News

韓国の半導体大手SKハイニックスは20日、アメリカの半導体メーカー・インテルからNAND型フラッシュメモリーの事業を買収すると発表しました。

買収するのはデータ保存用の半導体、NAND型フラッシュメモリーを製造するインテルの事業部門と中国の大連にある製造施設です。

買収額は90億ドル、日本円にしておよそ9500億円で、韓国企業による合併や買収の価格としては過去最高額です。

SKハイニックスは、DRAMというデータの受け渡しに使われる半導体メモリーに強みがあり、世界シェアはサムスン電子に次いで2位となっていますが、NAND型フラッシュメモリーの事業では競争力が劣るとされています。

SKハイニックスは、収益のおよそ8割をDRAMで稼いでいて、NAND型フラッシュメモリーが収益に占める割合は2割弱です。

しかしDRAMは価格の変動幅が大きく、DRAM事業に頼り、その割合が高いと、安定した収益を確保できない問題があり、SKハイニックスの競争力を阻害する要因とされていました。

SKハイニックスは2017年には主にNAND型フラッシュメモリーを製造する東芝メモリの買収に参画し、技術提携を通じて弱いNAND分野の技術力拡充に力を入れてきました。

SKハイニックスがインテルからNAND型フラッシュメモリー事業を買収することにしたのは、こうした弱点を補うためとされています。

インテルからNAND型フラッシュメモリー事業を買収したことで、SKハイニックスの収益に占めるDRAM事業の割合は60%に減り、NAND型フラッシュメモリー事業の割合は40%に増えるものと予想され、SKハイニックスとしてはDRAMの価格変動に関係なく比較的安定した収益性を確保することができます。

SKハイニックスによる今回の買収で世界シェアも変化するものとみられます。

NAND型フラッシュメモリーの世界シェアはサムスン電子が35.9%で1位、SKハイニックス9.9%、インテル9.5%となっています。

インテルからNAND型フラッシュメモリー事業を買収したことでSKハイニックスのシェアは20%近くに増え、東芝から独立したキオクシアホールディングスを抜いて2位になる見通しです。

サムスン電子に加えてSKハイニックスが20%近いシェアを確保すれば、韓国の半導体メーカーのNAND型フラッシュメモリーの世界シェアは56%を超えるものと予想されます。

一方、第2四半期のDRAMの世界シェアを見ますと、トップのサムスン電子が42.1%、2位のSKハイニックスが30.2%占め、韓国の半導体メーカーが全体の72%を占めています。

韓国の半導体メーカーがDRAMとNAND型フラッシュメモリーの世界シェアでともに上位を占めることになり、世界の半導体市場にも変化が予想されます。

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