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論点

日本の高校教科書の検定結果に抗議

2021-04-03

ニュース

ⓒYONHAP News

日本の文部科学省はこのほど、2020年度の高校教科書検定の結果を公表しました。

大部分の教科書で韓国固有の領土である独島、日本でいう「竹島」について領有権を主張する記述が盛り込まれ、一方で太平洋戦争を美化する内容が盛り込まれた教科書が合格するなど、歴史歪曲が深刻化していると受け止められています。

今回合格したのは、主に高校1年生が使用する296点の教科書です。

日本及び世界の地理について学ぶ「地理総合」は、大部分の教科書で、竹島は日本固有の領土であり、韓国が不法占拠しているとの内容が盛り込まれました。

また、「歴史総合」は、大部分の教科書が、竹島が日本の領土に編入される経緯を記述し、一部の教科書は「竹島は日本固有の領土」と直接的に明記しました。

今回の検定は高校教科書が対象でしたが、昨年度不合格だった自由社の中学歴史教科書が再申請し、合格しました。

自由社は、「新しい歴史教科書をつくる会」の中学歴史・公民教科書を発行していますが、昨年度の検定では405カ所の検定意見がつき、不合格になっていました。

今回合格した自由社の教科書は、4~6世紀にかけて日本列島の勢力が韓半島南部の伽耶(かや)諸国を支配していたと記述し、「任那日本府説」を事実上認めることで、古代史を歪曲しました。

また、16世紀末に豊臣軍が朝鮮を侵略した文禄・慶長の役を「朝鮮出兵」と記述、太平洋戦争は「大東亜戦争」と記述しました。

「大東亜戦争」は、「欧米諸国によるアジアの植民地を解放し、大東亜共栄圏を設立してアジアの自立を目指す」との構想の下で始まった戦争で、大日本帝国の侵略行為を美化する呼称と受け止められています。

日露戦争についてはアジア諸国の独立運動を刺激することにつながったと記述し、戦争を美化しました。

今回公表された検定結果は、学習指導要領にそって領土問題などの記述が変更されていて、安倍前政権の右傾化の動きが反映されたと受け止められています。

これについて、韓国外交部は、先月30日、日本大使館の相馬弘尚総括公使を呼んで強く抗議し、速やかに是正するよう求めました。

日本の教科書は、民間が教科書を制作し、学界の専門家らで構成された教科書検定審議会の審議を経て、合格した教科書を学校が採択する流れとなっています。

審議の基準は文部科学省が告示する学習指導要領との整合性があるかどうかです。

安倍前政権では、学習指導要領を改定することで国の統一見解である内閣談話などの内容を踏襲するよう定めており、事実上国定教科書に回帰したとの指摘があります。

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