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論点

月軌道衛星タヌリを打ち上げ

2022-08-06

ニュース

ⓒYONHAP News

韓国航空宇宙研究院が製作した月軌道衛星「タヌリ」が5日に打ち上げられました。

タヌリは韓国航空宇宙研究院が製作し、先月アメリカ・フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍施設に移送され、5日朝8時過ぎ、アメリカの民間宇宙企業スペースXのロケットに載せて打ち上げられました。

打ち上げからおよそ40分後にロケットから切り離され、1時間半後には地上通信局との交信に成功しました。

そして、韓国航空宇宙研究院は午後2時、タヌリが目標としていた軌道への進入に成功したと発表しました。

月軌道衛星「タヌリ」の名称は、韓国語で月を意味する「タル」と、享受する・楽しむを意味する「ヌリダ」の合成語です。

タヌリは今後、9回にわたって軌道を修正しながら、月に向けて宇宙空間を4カ月半航行し、12月末には月面上空100キロメートルの周回軌道に入る計画です。

タヌリは縦横およそ2メートルの六面体で、太陽光電池パネルを展開すると横幅は6メートルになり、総重量は678キログラムです。

タヌリは、韓国で独自開発した高解像度カメラ、広角偏光カメラ、磁場測定器、ガンマ線分光器、遅延耐性ネットワーク装備のほか、NASA=アメリカ航空宇宙局が開発した特殊カメラなども搭載しています。

このうち、広角偏光カメラは月面全体の地図をつくることに使われ、ガンマ線分光器は、月面から発せられるガンマ線を利用して月の地質の進化を追跡し、埋蔵されている資源を調査することに使われます。

また、「シャドーカム」と呼ばれるNASAが開発した特殊カメラは、太陽の光が届かずこれまで見ることができなかった月の南極・北極にあたる場所の地形を撮影することに使われます。

月面上空100キロメートルの軌道に入ったあとは、これらの装備を利用して、月面を撮影し、映像をリアルタイムで地球へ送信するなどの任務を遂行することになります。

初めて月に着陸したアポロ11号は地球から3日で月に到着しました。

タヌリ号が月に到着するまで4カ月以上かかるのは、地球から月まで直進するのではなく、いったん地球から150万キロまで離れ、その後、太陽や地球の重力を利用した旋回軌道で月に向かうためです。

遠回りですが、地球や太陽など天体の重力を利用して航行することから燃料の消費を25%程度節約でき、より多くの装備を搭載できるメリットがあります。

韓国は2031年までに月に無人探査船を送ることを目標にしていて、タヌリから送られてくる映像で探査船が着陸するのに適した地形なども調べることになります。

韓国はアメリカ主導で進められている有人月面着陸などを目指す「アルテミス計画」にも参画しています。

タヌリはNASAが開発した特殊カメラも搭載していて、韓国とアメリカが宇宙探査で協力する初のケースになりました。

タヌリが予定通り年末に月周回軌道に入れば、韓国はロシア、アメリカ、日本、ヨーロッパ連合、中国、インドに次いで、月に探査船を送った7番目の国になります。

韓国航空宇宙研究院の関係者は、「韓国と先進国の技術の差を縮小し、NASAとの協力を通じて、宇宙探査へと乗り出す重要な契機になる」と述べています。

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