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論点

ウォン相場が年初来の安値を更新

2022-08-27

ニュース

ⓒYONHAP News

ドルに対するウォンの為替相場が年初来の安値を更新し、2009年の世界金融危機当時の水準までウォン安が進み、経済への影響が懸念されています。

尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、ウォン安が市場にマイナスの影響を及ぼさないようリスク管理に力を入れたいと述べました。

ソウル外国為替市場では23日、金融当局の口先介入にもかかわらず、ドルに対するウォン相場は終値で1ドル=1345ウォン50銭までウォン安が進み、年初来の安値を更新しました。

終値では2009年4月28日の1ドル=1357ウォン50銭以来のウォン安です。

ドルに対するウォン相場は最近、急速に進んだウォン安が継続しています。

6月23日に1ドル=1300ウォン台を超え、7月6日には1ドル=1310ウォン、7月15日には1ドル=1320ウォン台までウォン安が進みました。

7月22日には一挙に1330ウォン台から1340ウォン台までウォン安が進みました。

こうした傾向が続けば、1ドル=1400ウォン台までウォン安が進む可能性も排除できないとの見方も出ています。

ウォン安ドル高が続いているのは、アメリカのFRB=連邦準備制度理事会が記録的なインフレに対応するため金融引き締めを加速させるという見方が強まっていること、ロシアによるウクライナ侵攻を背景にしたエネルギー資源の高騰やヨーロッパのエネルギー危機など、多様な要因が作用しているとされています。

通貨安の傾向が続いているのは韓国だけではありません。

ニューヨーク外為市場では23日、ユーロや円、ポンドなど主要通貨に対するドルの強さを示すドル指数は、108.9まで上昇し、2年ぶりの高値となった7月の109.29に迫っています。

ドル指数が上昇しているのは、円、ユーロ、イギリスポンド、中国人民元など、主要通貨の通貨安が続いていることを意味します。

経済が貿易によって支えられている韓国では、為替相場の動きは経済に大きな影響を及ぼします。

ウォン安は輸出を行う企業にとっては追い風になりますが、一方で輸入物価の上昇を招きます。

ほとんどを輸入している原油をはじめとするエネルギー資源や原材料の輸入価格も上昇することになり、企業にとってはコストの増加につながります。

原油などのエネルギー資源や原材料の輸入価格は最近、やや下がっていますが、ウォン安が進んでいることで、エネルギー資源や原材料価格の下落分は相殺されてしまいます。

エネルギー資源や原材料の価格はやや下落したとはいうものの、依然として高止まりが続いています。

こうした中で貿易収支は悪化しています。

関税庁のまとめによりますと、8月1日から20日までの輸出額は334億2400万ドル、輸入額は436億4100万ドルで、貿易収支は102億1700万ドルの赤字となりました。

ことしに入ってからの累積赤字は250億ドルを超え、年間で過去最大の赤字となった1996年の206億ドルをすでに上回っています。

韓国経済は高金利、高物価、ウォン安の三重苦に直面しています。

金融当局の口先介入も今のところ大きな効果は出ていません。

経済専門家は、口先介入でウォン安の速度をある程度は調節できるかもしれないが、世界の資金が安全資産であるドルに集中しているため、ウォン安を食い止めるためにはより根本的な対策が必要だと指摘しています。

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