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論点

離散家族再会事業を北に提案

2022-09-10

ニュース

ⓒYONHAP News 

年中最大の祝日、秋夕を迎えました。

ことしは10日、土曜日が旧暦のお盆にあたる秋夕です。

秋夕は当日を含めて前後3日間が休日で、ことしは振替休日の月曜日を含めて4連休となりました。

韓国の権寧世(クォン・ヨンセ)統一部長官は、秋夕を控えた8日に記者会見し、韓国戦争で南北に離ればなれになっている離散家族の問題について、「南北当局者による会談を開き、離散家族問題を議論することを北韓に公開提案する」と述べました。

権寧世長官は、「ことしの秋夕も多くの離散家族が家族や故郷のことを思い、寂しくなるだろう」としたうえで、「離散家族問題をはじめ人道的な事案を北韓側と虚心坦懐に議論したい」と述べました。

また、「可能なすべての方法を活用して迅速に根本的な対策を講じなければならない」と強調しました。

さらに、「韓国政府は開かれた心で北韓側との会談に臨む準備ができている」とし、会談の日時や場所、議題などは北韓側の希望を積極的に考慮するとしました。

権寧世統一相は、過去のように少人数による一回性の再会事業では問題は解決しないとも指摘しました。

これまでのように南北がそれぞれ100人ずつを選定して再会する方法では限界があると指摘したものです。

韓国で離散家族再会を申請した人は合わせて13万3654人にのぼっています。

そのうち再会事業の対象に選定されて、実際に北韓にいる家族と再会できたのは1099人に過ぎません。

対象者は北韓にいる家族の生存が確認された人の中から抽選で選定されます。

問題は離散家族の高齢化です。

ことし8月末の時点で、離散家族再会を申請した人のうち8万7964人が高齢ですでに亡くなってます。

生存している人は4万2647人ですが、そのうち90歳以上が30%、80歳以上が37%、70代が19%となっています。

時間はさほど残ってないということです。

権寧世統一部長官が、離散家族という言葉そのものがなくなる前に根本的な対策を講じる必要があると強調したのは、こうした状況を考慮したものです。

残念なことに離散家族再会事業は、2018年8月を最後に途絶えています。

2000年以降、南北首脳会談が4回、閣僚級会談が28回、赤十字会談は12回行われ、韓国側は常に離散家族再会事業を提案していますが、北韓側は消極的な態度で一貫しています。

南北関係は冷え込んでいますし、経済的・軍事的な緊張や地政学的な理由で西側諸国と東側諸国が対立を深める中、北韓側が提案に前向きに応じる可能性は高くないでしょう。

権寧世長官は、北韓側の対応に関係なく、今後も持続的に再会事業を提案していきたいと述べました。



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