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論点

梨泰院で転倒事故

2022-11-05

ニュース

ⓒYONHAP News

ハロウィンの人出で賑わうソウルの繁華街イテウォン(梨泰院)で10月29日土曜日の夜、転倒事故が発生し、156人が亡くなりました。

ハロウィンはもともと、韓国では馴染みの薄い外国の季節行事でした。

若者たちの間で盛り上がりを見せるようになったのは最近のことです。

ことしは新型コロナウイルスに伴う社会的距離の維持などの制限が緩和されたこともあって、10万人以上の人が集まりました。

梨泰院は狭い路地や坂道が多く、もともと週末は込み合うところですが、一挙に10万人以上が集まったことで狭い路地で密集した人が将棋倒しになり、156人が死亡する事故につながりました。

当局の事故予防対策に不備があったとの批判が上がっている中、行政安全部の李祥敏(イ・サンミン)長官は1日の国会行政安全委員会で、「国民の安全確保の責任を負う部署の長官として国民の皆さんに深く謝罪する」と述べました。

また、南華栄(ナム・ファヨン)消防庁長職務代理は、「救助に最善を尽くしたが、多数の死傷者を出してしまい申し訳ない」と謝罪しました。

人が密集していたことで救急措置や搬送に時間がかかったことも死亡者が増えた要因の一つとされています。

今回の事故については、警察の対応が安易だったとの指摘も出ています。


事故当日、梨泰院一帯に警察官が配備されてはいましたが、警備は犯罪の取り締まりに重点が置かれ、通行規制など、人出が急増したことに対応するための安全措置は取られていなかったということです。

事故発生の4時間ほど前から、警察に危険性を訴える通報が11件ありましたが、警察は4件についてだけ警察官を出動させ、混雑を解消する措置を取りました。

その他の通報については警察官がすでに現場に配置されているという理由で追加の出動などの措置を取りませんでした。

尹熙根(ユン・ヒグン)警察庁長はこの点について、対応が不十分だったという認識を示し、謝罪しています。

今回の事故は過密都市の脆弱性を露わにしたと指摘されています。

通常を大きく上回る人が集まる状況に適切に対処していれば惨事は免れたはずだとも指摘されているなど、今回の事故は人災の様相が濃くなっていて、警察や行政当局への批判が高まりそうです。

政府は事故の収拾と原因究明に力を入れる一方、同様の事故が再発しないよう対策を講じていくことにしました。

事故から一週間たった4日金曜日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は国民に対して、「一番の責任は大統領と政府にある」と謝罪しました。

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