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© Getty Images Bank

今、韓国では青年層の就職口が無いことが大きな問題となっています。政府が打ち出す政策も雇用の拡大が大きな軸を成しています。しかしなかなか雇用が増えないのが現実です。そんな中、先週中央日報でこんなタイトルの記事を見ました。「2日間のインターンも登場した…雇用圧迫に公共企業がコメディ」このタイトルを見て、あれっ日本と違うと感じました。そこで今日は日本と韓国のインターンシップ制度に対する考え方の差をご紹介したいと思います。

まず日本のインターンシップの考え方は

「インタンシップ」とは学生企業連携し、就職活動前学生実際仕事企業経験できることをいます。アルバイトと違い報酬は発生しないのがほとんどです。たとえばNHK1日のインターンシップと3-5日のインターシップを職種ごとに行っています。また伊勢丹三越でも1日、2日、3-4日間のインターンシップをバイヤー、セールスマネージャーなどの職種ごとに行っています。

このように基本的に日本でのインターンシップ制度は本格的な就職活動前の職業体験の場です。ところが韓国で考えられているインターンとは就職を前提とした訓練期間、研修期間のことです。ですから就職試験の際に半年間、1年間、どこどこの企業でインターンをしてきましたとなれば、それは立派な履歴になるのです。

しかしここ数年増えている体験型のインターンシップは日本と同じように2日間など、非常に期間が短いものです。たとえば

韓国電力公社の子会社の韓国電力技術は満34歳以下の青年を対象にしたインターン制度の一つとして職場体験型の短期インターン採用制度を実施中です。1回に65人を募集し、2回合計130人を募集します。12日間行い、日当は税抜きの8万ウォン、宿舎は提供するが食費は各自負担となります。

このような条件なら日本なら十分な条件だと言われそうですが、韓国では話が違うと怒っています。職場体験と言ってもその内実が伴わないのが問題だというのです。コレイル(韓国鉄道公社)の体験型インターンに合格し、3ヶ月間の体験期間中だという28歳の男性は

「していることは中学生の弟が地下鉄駅で案内の奉仕活動をしているのと大差ありません。駅内で道案内をしたり、お年寄りのチケット購入のお手伝いをするのが主な仕事です。実際にコレイルという会社でどんな仕事をしているのか体験してみる機会はインターンが終わるまで一度も無さそうです」

このような体験型のインターン制度は2008年企画財政部が青年層を対象として職務に関する理解と高めようと導入したものです。再契約、または正規職への義務転換がなく3-6ヶ月間雇用し、業務経験と組織文化などを体験するようにしたものです。

政府は先月末、公共機関などを通じて59千人の雇用を作ることにしたと発表しましたが、公共機関の体験型インターン5300人もこの中に含まれています。

インターン制度を日本のように、学生にとっては適正に合っているかを見極めるチャンス、会社側にとっては会社を広報するチャンスとして受け取ればよいのですが、韓国では青年の雇用自体が少なく何とか数字の上だけでも雇用の増大を図りたい政府が公共機関に無理やり雇用を押し付け、公共機関は仕方なく体験型のインターン制度をお茶を濁してというのが現状のようです。そのため学生側にも企業側にも不満が高まるだけというのが現実のようです。

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