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2019年己亥年(つちのとい)

#マル秘社会面 l 2019-01-02

玄海灘に立つ虹

© Getty Images Bank

2019年は己亥年、韓国では猪ではなく豚の年と呼ばれています。そこで今日は韓国人にとっての豚の年を解剖してみたいと思います。韓国の伝統文化では豚は福と財物の代名詞であると同時に、欲ばりと怠け者の象徴でもあります。民俗学の専門家は


「豚に対する韓国人の認識は非常に肯定的でした。歴史をひもとくと豚は神にささげる生贄として登場します。怠け者と欲ばりなど、否定的な象徴は豚の生態的な姿から読み取ったものです。だからといって豚が豊かさをもたらす存在だという認識をひっくり返すことは出来ません」


と説明しています。豚は干支の中でも一番最後に登場する動物です。時間としては午後9時から11時の間、方角は北北西を意味します。そして己亥年の己(つちのと)は黄色を意味するので、韓国では黄色の豚、黄金豚の年とも言われます。


実は2007年にも「今年は黄金豚の年」だといって、今年生まれた子はお金持ちになると言われ出生率が大幅にアップしたことがありました。しかし2007年は丁亥年(ひのとい)の丁(ひのと)は熱い炎を意味するので黄色というよりは赤に近く、実は赤い豚の年だったと解説されています。


豚が韓半島で生息を始めた時期は旧石器時代だと推定され、全国の遺跡からは猪の骨と化石が出土されています。歴史書の「三国史記」の高句麗編瑠璃王のところにはこんな描写があります


21年春3月、天地の神に供える豚が逃げ出した。王は飼育係にこの豚を追いかけさせた。国内イナガンにきて飼育係はこれを見つけたが、豚はすでに捕われ、その家で飼われていた。城に戻り王に 「豚を追ってイナガンというところまで行きました。その地形は深く険しく、その土地は五穀を植えるのに適し、鹿・魚・すっぽんの類も多く取れました。王がもし都を移すならば、国民の利益がきわまりなく、戦争の心配もないでしょう」と述べ、王は後にこの地に都を移すことになる。


新規開店などの際に商売繁盛を祈って行われる告祀、何かの工事を始めるときや、映画の撮影を開始する前に無事と成功を祈る告祀を行うときなど、天の神に何かを祈るときには現在でも供え物として必ず豚の頭が使われます。これも昔からの伝統です。

また豚は一度に多くの子豚を産むので多産と豊年の象徴です。民俗学の専門家は


「韓国では豚を福をもたらす動物だと考えられてきました。夢占いでも他人の家の豚を連れてきても財物がやってくる、豚を抱きかかえれば名誉が上昇する吉兆だと言われています」


1970年代、理髪店にはたくさんの子豚にお乳を吸わせている豚の絵がよくかけられていました。これも商売繁盛を祈る意味でした。また新年最初の亥日に開業すると金持ちになるという話もありました。

ということで2019年は豚の年、それも黄金豚の年です。どうか昔の人が考えたように多産と豊かさをもたらす一年になりますように。

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