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ⓒ YONHAP News

いつも対立ばかりしている与野党が珍しく全会一致でまとめた法律があります。国会議員の資産公開の中に暗号資産(仮想通貨)も含めるというもので、22日に政治改革特別委員会でこの国会法改正案が議決され、25日の本会議にかけられることになりました。可決されればすぐに施行されます。この法律一名、「キム・ナムグック防止法」とも呼ばれています。事の発端は今月5日、朝鮮日報が「財産15億ウォンと申告していた金南局議員 暗号資産60億ウォン分を保有していた」と報道したことにはじまります。

さらにキム議員の保有していた暗号資産は最初の報道にあった「ウィミックス(WEMIX)」だけではなく他の上場されていない無名の暗号資産も40種類以上保有しているという報道や、インサイダー取引を疑う報道、コイン発行会社と組んで相場操作に加担していたのではないかという疑惑まで飛び出しています。結局キム議員は所属していた野党「共に民主党」を離党し、検察の捜査も始まっていますが、当初は保有している暗号資産をすべて公開すると言っていましたが、離党した今も公開はしていません。

韓国の公職者倫理法では暗号資産は申告対象の資産には含まれていません。そこで今回の件を契機に、国民の信頼を取り戻すために、与野党ともに国会議員の申告対象となる資産に暗号資産も含めようということになりました。日本と同様に韓国でも国会議員や閣僚は資産を公開することになっています。国会公職者倫理委員会が公開した「2023年国会議員資産変動」の申告内容によれば、現職の国会議員の中で一番の資産家はアン・チョルス議員で、その資産は前年度より693億ウォン減少した1347億ウォンでした。アン議員の資産の大部分は本人が創設したアンラボ社の株です。またその他の資産上位の議員の資産も株、あるいは不動産でした。そして資産が500億ウォン以上の4人を除いた残りの国会議員の平均資産は25億2600万ウォンでした。また異色な資産を公開した議員もいました。油絵や版画など合計5300万ウォン相当の美術品4点を公開した議員など、高価な美術品を保有していた議員が4人いました。また1キャラットのダイヤモンドの指輪を資産に含めた議員、純金や金製の幸運の鍵を申告した議員もいました。さらに著書を通じた著作権を申告した議員、ゴルフ場やホテルのヘルスクラブの会員権、リゾートの会員権を申告した議員も多数いました。

そのような議員の中で問題となっているキム・ナムグック議員の資産は15億ウォンとなっていました。それが実は多額の暗号資産を保有していたのです。そして国会の本会議や委員会が開かれ、出席している最中にも、スマートフォンで取引をしていたことも明らかになりました。株、コインなどの暗号資産で資産を作るというのは、今の韓国の20代、30代にとっては当たり前のことです。暗号資産の投資家は昨年時点で558万人おり、そのうち20~30代が55%を占めています。そのため今回の問題と関連し、特に若者層の反発が激しくなっています。

 広告会社の会社員(26)は「青年たちが株や暗号資産への投資の失敗で苦しんでいる時、『青年』を強調していた国会議員が大金を稼いでいたとは。不動産投資できない青年たちのよりどころだった暗号資産の公正性への信頼が崩れた」と話しています。

国会議員の暗号資産はただの1ウォンでも資産とみなして公開するという国会法改正案。ある意味これで暗号資産、コインは韓国で資産としての地位をしっかりと獲得したのかもしれません。

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