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第460話 韓国のプロ野球球場で応援歌が歌えなくなりました

#アジュンマの井戸端会議 l 2018-05-10

玄海灘に立つ虹

第460話 韓国のプロ野球球場で応援歌が歌えなくなりました
プロ野球の試合で選手が登場するとき、いわゆる「選手登場曲」が流れ、スタジアムのファンもそれに合わせて声を張り上げ歌いながら応援する、そんな韓国の球場でおなじみの風景が、5月1日から見られなくなりました。応援歌が試合の緊張を高めたり、場内の雰囲気を盛り上げたりしていたものですが、それがなくなってしまったのです。

応援歌はスタンドの積極的な応援文化を代表するトレードマークのような存在で、特に「釜山かもめ(ロッテジャイアンツの応援歌)」や「私は幸せです(ハンファイーグルスの応援歌)」などは原曲の人気を超え、特定の選手や球団を象徴する代表曲として認識されている場合も少なくありません。

そんな応援歌が野球場で聞こえなくなってしまったのは、「著作人格権」によるものです。これは著作権の一つで、著作物の内容や形式などを変更、つまり替え歌を歌ったり曲を編集したりする行為について原作者の許可を受けなければならないというもので、著作権法第13条第1項に定められています。これに基づいて、作曲家など20人余りがサムスンライオンズなど一部の球団を相手取って損害賠償を求める訴えを起こしたことから、KBO=韓国野球委員会と10のプロ野球球団は、選手が登場するときに流れる曲など応援歌の使用を、5月1日から一切中断しているのです。

訴えを起こした作曲家らは著作人格権が侵害されたとして、一人数百万ウォンから数千万ウォンを要求しているということです。彼らの弁護人側の関係者は、「原作者の同意がないまま替え歌を作り応援歌として使用したのは著作権の深刻な侵害だ」と主張しています。KBOでは、「ずいぶん前から雰囲気を盛り上げるために替え歌を使ってきたのに今になって著作人格権の侵害による損害賠償を求めてくるのは無理な要求だ」と反発していて、10球団が共同で対応に当たることにしています。

KBOと10の球団では韓国音楽著作権協会など著作権関連の団体に2003年から使用料を払い、著作権の問題に対応してきました。しかし今回の訴えは協会ではなく一部の原作者が「自分の歌が毀損された」ということで賠償を求めているものです。ある球団の関係者は「著作権問題が解決されている曲を選んで応援歌として使用してきたが、原作者が問題提起をしてこないか不安だ」として、「著作権についてはすでに費用を払っている。応援歌は非営利的な活動に当たるので、原作者の理解と配慮が必要ではないか」と話しています。

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