メニューへ 本文へ
Go Top

© Getty Images Bank

20年前に日本の大衆文化が開放された時、「韓国の文化が日本のコンテンツに占領されてしまう」という懸念の声があがりました。しかし20年たった今、むしろ韓国の大衆文化、K-POPが日本に盛んに進出するようになりました。一方で日本の映画やJ-POPは思っていたほどには韓国に浸透しませんでした。その代わりに予想外の日本の大衆文化が今、韓国に浸透しています。日本の大衆料理です。

それまで韓国で日本料理と言えば高級な和食でした。刺身、寿司、天ぷらに代表されるような高価な料理で、大衆向けというよりも会社の接待用に利用されることが多かった分野でした。しかし今、町中にあふれているのはまさに日本の大衆料理です。

お好み焼き、たこ焼き、日本風カレーライス、ハンバーグステーキ、博多ラーメン、日本風居酒屋などなど、2006年に5272店だった「和食専門店」の数は今年8月に17290店と3倍以上に膨れ上がりました。ソウル市内の特に若者たちが多く集まる弘大前、江南駅、ソウル大入口駅の近くには日本の大衆料理をメニューとする飲食店が集まっています。

こういうお店の特徴は日本らしさを前面に打ち出していることです。居酒屋は外から見ると赤提灯がかかり、窓にはメニューの日本語が大きく貼られているなど、一目見て日本の居酒屋だと分かるようになっています。またお店の中でも店員が日本の着物風のユニフォームを着ていたり、「いらっしゃいませ」と日本語で挨拶するなど日本文化を打ち出しています。

最近は日本風のカフェも人気です。 日本風のカフェ、どんなカフェかと言いますと、まずインテリアが日本風です。日本式庭園、木のテブルが置かれて、木製の窓の桟や仕切り、竹も取り入れています。特に木がふんだんに取り入れられているのが日本風カフェの特徴です。ちょうど韓国人観光客が日本の京都で体験してきた和風カファのあの雰囲気です。メニューにもコーヒーなどのほかに、日本茶や和菓子が目に付きます。

20年前には日本料理を教えているのは主婦向けの料理教室だけでした。それもソウルにわずかにあるだけでした。それが最近はソウル市内には和食を専門に教える料理学校も登場しました。そして通っているのは主婦ではありません。30-40代の脱サラの男性たちです。受講生のほとんどは大企業・製薬会社・IT企業などを辞めた人々です。この料理学校の理事長を務める中村哲氏は

受講生70以上開業準備中3040代です9年前料理めたころは、和食店えば刺身店やすしだけでしたが、では日本家庭料理からスイ門店までさまざまです」

またフードビジネスの専門家は

「少人で食べる食文化が韓でも定着してきたことから、ひっそりと『1人飯』をするのが好きな日本の家庭料理が人を集めているのでしょう。また 和食は『あっさり食べた』という印象なので、食などで油っの多い物を避けて小食にとどめる最近のトレンドにも合っています。魚介類を好む食文化のトレンドが韓に定着したことも、魚料理のレシピが達している和食が人を集めている理由でしょう」

と分析しています。そして最近の日本旅行ブームも日本の大衆料理が人気を得ている背景となっています。大阪で食べてきた、博多で食べてきたあの味をソウルでも食べたいと思うのです。しかしだいぶ本場の味に近づいてきたとはいえ、やはり日本で食べる方が美味しいと思うのは私だけでしょうか。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >