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ライフスタイル

韓国の国民ゲーム・花札

2019-02-25

玄海灘に立つ虹

© Getty Images Bank

韓国では旧正月など家族が集まると花札をする家が多いですよね。私は日本でも家で花札をして遊んだことがあるのですが、日本の友人にその話をしたら驚かれました。花札って韓国から日本に渡った遊びなんですか?


韓国人にとって花札は国民的なカードゲームです。ゴーストップという名前で広く行われています。テレビでは、芸能人が休みの日にお友達を家に呼び、食事の後に花札遊びをしている様子が出てきますし、アパートの老人クラブに行けばおばあちゃんたちが花札をしている姿をよく見かけます。うちの亡くなった祖母もよく暇つぶしに一人で花札をしていました。

しかし花札は日本から韓国に渡ってきた遊びです。韓国語では花闘(ファトウ)と呼ばれます。韓国に入ってきたのは朝鮮時代の末期だと言われています。その後の日本の植民地時代に全国的に広まりました。独立後には一時、日本文化の残害といわれて取り締まれたこともありましたが、現在でもよく行われています。ただし、ルールは日本とはだいぶ違っており、ゴーストップという名前で呼ばれています。

またゲーム方式もそうですが、花札の絵が日本のものとは一部違います。韓国では11月の雨札が12月、12月の桐札が11月として扱われます。また短冊の文字はハングルになっていたり、日本だと2月の札に鶯が書かれていますが、韓国ではこれがカササギになっているカードもあるようです。またカードが韓国製はプラスチック素材で、コンビニなどで手軽に売られている点も日本とは大きな差があると思います。

全羅北道の高昌には花闘タリョンという民謡まで残っています。この民謡には「1月松岳に白鶴が鳴き、2月梅の木に鶯が鳴く」というように歌詞が全部花札の絵の内容をつづったものです。

このように国民的なカードゲームだった花札が今年の旧正月、スマートフォンのゲームに負けて売上げが減ったというニュースがありました。これはコンビニでの花札の売上げを比較したものです。つまりこれまでは旧正月や秋夕など家族が集まる時には必ず花札を買う人がいたということです。

それが最近はスマートフォンでゲームを楽しんだり、映像を見る人が多くなり、コンビでは花札の代わりにスマートフォンの充電器の売上げがアップしているということです。

ちなみに我が家も引き出しには一セット入ってますし、昔、子供の1歳の誕生日,トルを家で祝ったときに主人の会社の人もきましたが、そのときにご馳走の料理と一緒に準備した物の中に花札がありました。食事の後、一部のお客さんは花札をしていました。それから花札がよく見られる典型的な場面が葬儀のお通夜の席でした。韓国は夜通しおきていなくてはならないので、昔から通夜の時には花札をして夜を明かしていましたが、最近は通夜の際にも夜通しではなくお客さんが帰った後は喪主も休むのであまり花札をする姿は見かけなくなりました。

ということで、韓国のゲーム文化の真ん中にいた花札がだんだんとその位置が危うくなっているようです。

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