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ライフスタイル

第495話 親の子どもへの関心はどこまで?

#アジュンマの井戸端会議 l 2019-03-07

玄海灘に立つ虹

© Getty Images Bank

韓国では、子どもがスマートフォンで何をしているのか、何を見ているのかを把握し、子どものスマホの特定のアプリやサイトへのアクセスを遮断することができるアプリケーションが使われています。


このアプリケーションは、子どものスマートフォンにダウンロードすれば、子どもが誰と電話したのか、どういうサイトにアクセスしているのかが、リアルタイムで分かるようになっています。また、スマホでネットにアクセスできるデータの使用時間を親が決めることができ、その時間を超えるとSNSやネットなどが使えなくなります。さらには、10分ごとに子どもの位置を自動で追跡し、設定された範囲を超えると親に知らせが来るようになっています。


当然のことですがこのアプリを嫌がる子どもたちがほとんどです。では、子どもたちがアプリケーションを削除すればいいのではないか、と思いますが、通信会社が開発し提供しているアプリの場合は、勝手に削除ができないようになっています。現行法上、韓国の未成年者は誰もが、スマートフォンにこうしたアプリケーションを設置するようになっているからです。電気通信事業法第32条と同法施行令第37条には、「青少年保護法と情報通信網法にのっとり、通信事業者は青少年に有害なメディアなどへのアクセスを遮断する手段を提供する義務がある」と明示されています。また、アプリを削除したり、15日以上作動しなかった場合は、通信会社は親にそのことを通知するようになっています。


通信会社のアプリは無料でダウンロードできますが、有料のアプリもあります。種類が多いので、アジュンマたちのネットの掲示板には、子どものスマホ管理アプリについて、「何を使っているのか」とか「どういうアプリがいいか」などの問答が少なくありませんでした。


子どものスマホの使用をコントロールするアプリのダウンロードが法で強制されているのは世界広しといえども韓国だけでしょう。現在、このことに関連する条項は青少年の基本権を侵害しているとして、合憲か違憲かの判断を憲法裁判所に仰ぐための訴えが、市民団体によって出されている状況です。


親にとっては「子どものため」という建前なのでしょうが、実は子どものことを信じられないという不安から、こうしたアプリが積極的に利用されているようです。実際、科学技術情報部がまとめたところによりますと、10歳から19歳までの青少年のうち、一日4時間以上スマートフィンを使う「スマートフォン依存症予備軍」が30%近くいたということです。ただ、子どもたちのスマホの使い過ぎは一家庭を超えた社会全体の問題になっている感があり、親がコントロールからといって問題が解決できるかというと、そうでもないような気がします。

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