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ライフスタイル

開かれた大学キャンパス

2019-03-18

玄海灘に立つ虹

© Getty Images Bank

韓国は新学期が始まりました。大学のキャンパスでは芝生の上でおしゃべりしている学生たちの姿を良く見かけます。でもよく見てみると学生だけではなく、明らかに近隣の住民じゃないかと思われる、おじいちゃんや、おばあちゃん、そして子供たちの姿も見かけます。韓国の大学は基本的に地域にオープンになっているんですか?


インターネットに大学のキャンパスを見学に行きたいのだけど入れるでしょうか?という高校生の書き込みがありました。それに対する答えは、ソウルの有名大学、ソウル大学、延世大学、高麗大学などはどこでも自由に入れる。ただ女子大の場合は、男性がキャンパス内に入るのを禁じている学校もあると、ありました。


2000年代になり韓国の大学は一般に広く開放されるようになりました。


たとえば梨花女子大学の場合、中国人観光客の観光コースにまでなっているので、校門前はもちろん、キャンパス内で写真を撮っている姿をよくみかけます。そういう点でも自由だと思います。


また特に地域住民に開かれていると思ったのが、雨の日に外国語大学のキャンパスを歩いていたときのことでした。私の前を小学生の女の子が歩いていました。別に大学内に付属の小学校があるわけではありません、キャンパスを横切った方が家に帰るのに近いので利用しているようでした。


また最近の大学キャンパスにはフィットネスクラブも揃っています。仁川のある地方大学ではこのフィットネスクラブも日を決めて地元の住民に開放しているということです。また大学内の生涯学習コースや文化教室のような一般人向けのコースには地元の住民の皆さんがたくさん参加しています。


そういう意味では韓国の大学は大学生と教職員だけのものではなく、地域に開かれていると言えると思います。2000年代になりこのような傾向が広がってきました。その前の学生運動の盛んだった時期はそんなことはありませんでした。それが変わってきたといえます。


一方で問題も起きています。外部の人間が自由に入れることで、それが犯罪につながる危険がでてきたのです。特に女子大の場合、図書館で勉強をしていたら知らない男性が寄ってきたとか、キャンパス内を歩き回り「女子大探訪」だといってSNSにのせていた男が捕まったなどというニュースもありました。


開かれたキャンパスと防犯の問題、なかなか難しそうです。特に女子大では警備会社にキャンパス内の警備を任せるところまで出てきました。


またキャンパス内の寄宿舎に暮らす学生たちからはこんな苦情も出ています。週末になると近隣住民がやってきて芝生の中に入って食事をしたり、ゴミを散らかしたり、中には寄宿舎のトイレを貸して欲しいとやってくる人もいるので困るというのです。


「大学のキャンパスは学生のものです。近隣住民には入ってきて欲しくない」という声も学生たちの間からはでているようです。開かれた韓国の大学キャンパス。問題も多そうです。

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