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ライフスタイル

個人の自由と危険地域への旅

#マル秘社会面 l 2019-05-15

玄海灘に立つ虹

© YONHAP News

西アフリカのブルキナファソで武装勢力に拉致され、その後フランス軍特殊部隊に救出された40代半ばの韓国人女性は、14日午後パリを出発し、15日に韓国に戻ってきます。その後は仁川空港内でテロ防止法に則り政府合同調査を受けることになります。 また駐仏韓国大使館は「家族が航空便チケットを送ってきた」と説明し、女性の帰国費用を家族が負担したと明らかにしました。 

この女性、一言で言えば非常に運が良かったと言えます。

旅先で知り合った60代の米国人女性と3ヶ月間危険地域を旅行しており、その挙句に武装勢力に拉致され28日間も拘束されていました。最初の2週間は食事も喉を通らなかったようですが、その後は少しずつ食事をとっていました。そして韓国にいる家族も、韓国政府もだれも彼女がアフリカで武装勢力につかまっているなどとは知りませんでした。それがたまたまその後フランス人観光客も捕まり、その際にガイドが殺害されたため事件が公になり、それでフランス政府が自国民を救出しようと特殊部隊を派遣したところ、たまたま一緒につかまっていた韓国人とアメリカ人の女性もみつけたというものです。

今回の事件でまた危険地域への旅行が問題になっています。

韓国政府が定める旅行警報は4段階で旅行禁止の黒色警報の地域を旅すれば現行の旅券法上、当局の許可なしに訪れた場合、処罰(1年以下の懲役または1000万ウォン )が課せられます。しかしそれ以下の地域に関しては特別に処罰はありません。 今回の場合は第1-第3段階の警報地域を行き来していて拉致されたことになります

外交部の関係者は

「この女性が主観的に危険地域だということを認識していたのかは確認しなくてはならないが、非常に危険な地域を通過していたことは事実だ」

と述べています。

ムン・ジェイン大統領は大統領就任後「在外公館は第1も、第2も在外国民の安全と国益に関心を集中しなくてはならない」と述べました。海外旅行3千万人、在外国民3百万人、海外での事件・事故が年間2万件の時代です。

外交部では「居住移転の自由と旅行の自由と言う基本権と公共の安全が衝突する部分がある。適切な調和が必要だ」しています。

これまでも危険地域を旅行をして事件に巻き込まれるということはありました。

2007年アフガニスタンで起きた「セムムル教会事件」は今回の事件と似ています。宣教活動をしていた奉仕団が武装勢力に拉致され2人が死亡、21人は40日後に解放されました。去年、アメリカのグランドキャニオンで観光中に墜落した20代の韓国人の青年に対して政府が入院費や移送費を支援するべきかをめぐっては社会的な論争もおきました。


国はどこまで国民を保護すべきか。一方でこんな話も出ています。今回の事件で一緒に救出された米国人女性は現地からまっすぐアメリカに帰国し、その名前も顔も公表されていませんが、韓国人女性は現地に韓国大使館がなかったためフランスまで行き、そのため顔写真が全世界に公開されてしまったというものです。簡単に海外に出て行ける時代です。一人一人が自覚するしかないのでしょうが、今回の事件をみていてつくづく思いました。やはり人間、運の良い悪いはあるのだと思いました。

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