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ライフスタイル

第509話 中高年層のスマートフォン利用にみる「デジタル孝行」

#アジュンマの井戸端会議 l 2019-06-20

玄海灘に立つ虹

© Getty Images Bank

科学技術情報通信部がまとめた「2018年インターネット利用実態調査」などの報告書によりますと、50代と60代のスマートフォンの利用率がそれぞれ97.7%、86.3%に達していることがわかりました。


ただ、スマホをどれだけ使いこなしているかを点数化した「デジタル情報化能力」については、一般にそうした能力が不足しているとみられている階層のなかでも、中高年の点数がもっとも低くなっています。スマホを使っている人は100%に近いほど多いのですが、スマホの基本的な操作でさえ難しいと感じる中高年層が依然として多いのです。先の報告書などによりますと、必要なアプリケーションのインストールが全くできないという中高年層は41%。すべての年齢層の平均が15.3%でしたから、平均の3倍くらい多いことになります。


そこで最近できた言葉が「デジタル孝行」です。子どもたちが親のスマートフォン全般の管理をすることを意味します。具体的には、スマホのホーム画面やロック画面の壁紙を変更したり、SNSのプロフィール写真を替えたり、スケジュール表にスケジュールを書き込んだりすることをデジタル孝行としています。若い世代では何でもないこのようなことに子供の手を借りることが、親の世代としては嫌になるときもありますが、スマホを使う上で子どもに頼るのは致し方ないと言います。「電話の機能としてはケータイだけで十分使えるのでケータイに替えたい気持ちもあるが、SNSやメッセンジャーのことを考えると、子どもに頼ってでもスマホを使うしかない」というのが正直な気持ちだというのです。


SNSやメッセンジャーというのはおそらくメッセンジャーアプリのカカオトークが絶対的な割合を占めているものと思われます。日本でLINEに当たるもので、韓国ではカカオトークはスマホを使っている人なら100%近く使っているアプリケーションです。ちなみに去年の統計によりますと、10のメッセンジャーアプリの中で、韓国のスマホユーザーの使用時間がもっとも長いのがカカオトークで、10のアプリの使用時間全体の94.4%をカカオトークが占めていたということです。ですから韓国ではカカオトークでコミュニケーションをとっていると言っても過言ではない状況で、中高年層も使わないわけにはいかないということになります。


こうした事情があるにもかかわらず、中高年のデジタル教育のための予算は減っているのが現状です。科学技術情報通信部によりますと、今年、情報格差(デジタルデバイド)解消のための予算は約113億6500万ウォンで、去年(124億1300万ウォン)より8%ほど減少しています。ただ政府では、高齢者対象の教育はパソコンとモバイルではモバイルの比重を増やしているところで、去年はモバイルが45%を占めていましたが、今年はそれを50%まで引き上げるとしています。

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