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ライフスタイル

第510話 冷え込んでいる韓日関係についての討論会

#アジュンマの井戸端会議 l 2019-06-27

玄海灘に立つ虹

© YONHAP News

韓国と日本の関係がかつてないほどの冷え込みを見せています。

こうした事態を打開するために様々な場が設けられ、多様な意見が出されています。


最近のものからご紹介しますと、6月26日、「企業からみた韓日関係」というテーマで討論会が行われました。討論会を主催した韓国経営者総協会のソン・ギョンシク会長は「これまでは両国の政治的関係が一時的に悪化したときも、経済協力と経済界の親善関係は固く維持されてきたが、最近では経済関係にも不安感が増している」と懸念を示し、「今こそ両国の経済関係者と企業がさらに活発に交流することで信頼と協力関係を確認し、伝統的なパートナーシップの回復に貢献すべきだ」と強調しました。


また6月25日付の韓国日報は、ミレニアル世代(1981~1996年生まれ)の韓国の若者の日本に対する認識を会話形式で分析しています。そのなかで、こんな話がありました。


「経済や観光などの面では交流が活発ですが、歴史問題があるので感情のしこりはあります」


「植民地時代を体験した世代が反日感情が強いのはうなづけます。でも私たちの世代はそうでもないようです。日本のことを好きでもないけど嫌いでもない。ただ、政治的に利用されていると感じるときは反日感情が湧いてきます」


「日本は文化的にも政治的にも韓国と切っても切れない関係にあるのは確かです。また、米中摩擦や米朝問題が長期化していることで、韓国が日本と緊密な関係を築くべき必要性がより明確になっています」


「メディアが外交問題を解決するための政府の努力を促すことは重要だと思いますが、両国政府の確執だけに集中しすぎてしまうと民間交流が度外視されることになります。メディアが本当に、韓日関係が円満に行くことを望むなら、政府の外交政策を批判ばかりするのではなく、民間レベルで交流しながら問題を解決する努力が行われているということをもっと強調してほしいです。私が交換学生として在籍していた日本の学校には、西大門刑務所のような歴史的な現場を体験できるよう韓国に研修に行かせるプログラムもありました。そういう努力が民間で行われていることをもっと報じてほしいです」


また、「壇国(タングク)大学の学生たちが考える韓日外交関係の解決策」という討論会が学内のサークル主催で行われています。そこではこんな話が出ました。


「韓国人は日本人に対してことさらに強い敵対心を持っています。その底辺には歴史問題があります。したがって歴史に対する正しい考えを持つのが最も根本的な解決策だと思います。日本を批判はしても無条件的な非難はしてはいけないということを国民は知るべきです。日本に対する見方を根本的に改める必要があると思います」


「私は歴史をむしろ排除して親交中心のプログラムを増やせば、韓日関係にもっと役立つのではないかと思います。駅のホームから転落した日本人を救おうとして命を落としたイ・スヒョンさんを追悼するという名目で韓国人を日本に招待して日本のいろいろなところを見て回るプログラムがありました。私の知人がそれに参加してから日本に対する認識が変わったと話していました。こういう例が韓日関係改善の重要な鍵になるのではと思います」


この壇国大学での討論会は、実は2015年に行われたものです。当時、進行役の学生は討論会を始める前に「かつてないほど韓日関係が冷え込んでいる中で、こうした事態をどう改善していけるかを考えてみましょう」と話していましたが、そのときよりいまのほうがもっと悪い状況です。他にもすべてご紹介できないほど多様な意見が出されていて、感心するとともに安心しました。これからの韓日関係に希望はあるんだなと。

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