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ライフスタイル

第519話 韓国食の世界化はどれだけ達成された?

#アジュンマの井戸端会議 l 2019-09-05

玄海灘に立つ虹

© Getty Images Bank

海外からいらした方たちと韓国料理を食べるとき、料理についての説明が以前よりかなり短くて済むようになった気がします。韓国を訪れる外国人で、韓国料理が初めてという人が少なくなってきているからでしょう。実際、韓食振興院が、去年韓国を訪れた外国人旅行者1094人を対象にアンケート調査を行ったところ、64.4%が、すでに自国で韓国料理店に行ったことがあるという人たちで、そのうちの85.8%は「満足した」と答えています。


韓食がこの数年間急成長を遂げてきたことは統計からもわかります。農林水産食品部によりますと、海外にある韓国料理店の数は、2009年に9253店舗あったのが、2017年には3万227店舗と、8年間で3.3倍に増えています。海外のホテルにある韓国料理店の数も、2014年に37店舗だったのが、2017年には123店舗に増えています。


店舗の数が増えた分、韓国料理をおいしいと感じてくださる方も増えているようです。韓食振興院は、去年世界の16の都市で9600人(1都市600人)を対象に韓国料理についてのアンケート調査を行いました。それによりますと、韓国料理を口にした人のうち93.9%が「おいしかった」と答えています。ちなみに16の都市のうち満足度が90%以下だったところは東京(82%)だけだったということです。


また、同じく韓食振興院が16の都市で行ったアンケート調査で、自国の韓国料理店に一度でも行ったことのあるという人が多いのは、ドバイ(91.5%)、北京(83.3%)、ジャカルタ(82.2%)などの順で、平均は63.1%でした。自国にある韓国料理店に一度でも行ったことのある人の割合が少ないのは東京(27.8%)、ローマ(39.8%)などでした。人気のある韓国料理は国別に異なり、東京で人気のある韓国料理は1位がピビンパ、次いでサムギョプサル(豚の三枚肉)、冷麺、チゲ、チョンゴルの順でした。ちなみにニューヨークでは1位がチキン、次いでプルゴギ、ピビンパ、カルビ、チャプチェの順でした。


韓国料理の世界化は進んでいるようですが、まだまだ道は遠いです。韓国料理が食べられているのは依然としてアジアが中心で、ヨーロッパやアメリカ、南米などでは知名度が低いのが現状です。外国の人たちが、質の低い韓国料理店に行き、そこで嫌な思いをし、韓国料理に対する悪いイメージが定着してしまう場合も少なくありません。そうしたことを防ぐために作られたのが、来年8月に施行される「韓食振興法」です。これまでは「外食産業振興法」という法律に根拠してのみ政策が推進されてきたため、韓国料理だけを別扱いにして政府が支援できる法的根拠がありませんでした。韓食振興法が施行されれば、政府レベルでの韓国料理についての研究や情報システムの構築などを進めることができるようになります。また、韓国料理専門の教育機関を通じて外国人の韓国料理シェフを輩出することもでき、海外の優れた韓国料理店については政府が「優秀料理店」に指定することも可能になるということです。

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