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ライフスタイル

ソウルのカモシカ

#マル秘社会面 l 2019-10-16

玄海灘に立つ虹

© MINISTRY OF ENVIRONMENT

韓国には山羊(산양:サニャン)と呼ばれる、「ゴーラル」というカモシカの仲間が生息しています。天然記念物217号に指定された絶滅危機野生動物です。

ゴーラルは中国、朝鮮、モンゴル、インド、ミャンマー、ヒマラヤに生息する体長90~130センチ、体重22~32キロのウシ目ウシ科の動物です。カモシカの仲間であるため、雌雄ともに角があり、生え替わることはありません。体色は灰色から黒褐色でのどの下に白斑があり、他のカモシカの仲間に比べて尾が長いのが特徴です。

このゴーラルが去年、ソウル中浪(チュンリャン)区にある龍馬滝公園(リョンマポッポ)で見つかりました。カモシカがどうやってソウルに現れたのでしょうか?

山羊(산양:サニャン は1950年代までは全国各地に生息していました。しかし1960年代に大雪で山に食べ物がなくなり民家に近づき、この時に数千頭が捕獲され、その後も開発や山林、生息地の破壊によりその数は減っていきます。

1980年には韓国野生動物保護協会が全国に30頭だけ生息していると発表しています。そして2000年、自然遺産保存協会が国内に200頭余り生息していると報告しています。非武装地帯の南側地域と江原道の雪岳山、月岳山、そして慶尚北道ポンファ郡などです。

その後2002年の環境部の調査によれば全国的に690784頭がいるとしています。そしてその後も全国的に確認され、その生息範囲も江原道、慶尚北道のあちこちの山間部まで広がっていきます。2019年現在、国立公園公団によれば雪岳山に260頭、オデ山に95頭、月岳山に98頭、インジェ117頭などが確認されています。

そして去年6月にはソウルでみつかりました。中浪区の龍馬滝公園のサッカー場の管理人が「サニャンを見た」と国立公園公団に通報し、専門家が現場を調べてオスとメス1頭ずつを確認しました。

龍馬滝公園はもともとは採石場だったところを1993年に公園になり、険しい岩の絶壁が形成されているうえに、ツツジ、タガネ草のような好物の植物もたくさん生えています。

ではどこからソウルに来たのか、

環境部では江原道の非武装地帯から京畿道北部のポチョン、カピョンなどを過ぎ、ソウルまで移動したものとみています。今年の春には龍馬滝公園で赤ん坊を連れた親子の山羊を見かけたという通報もありました。

韓国の山羊は日本カモシカとは顔に線がないところが違い、体長115-130㎝、尻尾の長さが15㎝ほど、角の長さが13㎝、首は短く足は太く、足の先がとんがっています。そして他の動物が近づき難い岩壁や急な岩の上などに2‐5頭が群れを成して暮らしています。

国立生物資源館のチョ・ヨンソク研究員は

「年末に全国を縦断する山羊の生息地図が出来上がります。これをもとに体系的な調査が行われれば、正確な生息数がわかると思います」と語っています。

江原道の山の中からはるばるソウルの公園まで移動してきた韓国のカモシカ。 険しい山の上の岩の上に住んでいなければならないのに、ソウルで見られたことが果たして良いことなのか、どうなのか。 分かりません。

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