メニューへ 本文へ
Go Top

© Getty Images Bank

探偵業といえば不倫・浮気や結婚相手の身上調査などが、その主な仕事だと思っていましたが、21世紀の韓国の探偵さん、その調査の範囲は予想をはるかに超えていました。21世紀、韓国の探偵業の今をご紹介します。まずはこんなケースがありました。

ケース1.京畿道にすむハンさん55歳は20歳の娘が去年年末、突然行方不明となりました。大学入学後、帰宅時間が遅くなったものの友人といるのだろうと思っていたら、ある日突然いなくなり、電話連絡もできなくなりました。警察に届け出たものの、警察は単なる家出と判断し捜査に進展はありませんでした。探偵事務所に頼んだところ、3週間後、娘はサイバー宗教団体の祈祷院にいるのが見つかりました。事実上の監禁状態でした。

ケース2.中小企業の社長パクさんは今年、社外秘の企業情報が流出するのを不審に思い探偵事務所に調査を依頼しました。1カ月後、探偵は証拠を収集し、法的な措置までしてくれました。その後、パクさんはこの探偵事務所と契約を結び、法律諮問から投資計画の検討まで依頼しています。先日は納品契約の前に相手の会社の調査を依頼したところ、財務状況が悪いことがわかりました。

探偵の仕事の幅が広がっています。警察だけでは処理しきれない多様な社会的な需要が生じているためです。去年、韓国の警察官の数は11万8,600人、警察官1人当たり437人の人口を担当していることになります。そのため警察は刑事事件中心に運営され、民事事件の場合は犯罪との関係がなければ警察が動くことはありません。

韓国特殊職業能力教育財団によると代表的な探偵関連民間資格証の「PIA民間調査員」資格証の取得者が2008年122人から去年は628人に増えました。この資格証の所持者を分析してみると前職、現職の警察官が14.5%、警備業が8.6%、軍人6.4%というように捜査・保安の業界従事者が全体の3分の1を占め、取得者10人中9人は男性、年齢別には40代と50代が多かったです。

そして最近の探偵業の一番の仕事は「人探し」です。今年になり8月末までに大韓民間調査協会が受け付けた依頼相談の内容を見てみると、行方不明の人を探すのが21.4%で一番多く、探す相手は子供や、幼いころに生き別れになった両親・兄弟などでした。

費用は1日8時間基準で40万~80万ウォンくらいです。例えば張り込みの場所が決まっていて車による尾行だけなら40~50万ウォンですが、徒歩による尾行をしたり、動線が決まっていない自営業者の尾行などは80万ウォンになるそうです。

依頼期間は平均1週間。一度依頼すると平均400万ウォンくらいはかかるということです。一方で人探しの費用は計算方式が違います。見つけるのに時間がかかるので見つけた時に成功報酬としてもらうことになります。不法滞在者の居場所をみつけたら300万ウォン、本国に送還されれば300万ウォンをさらに追加で受け取ることになります。

しかし探偵業はいまだに正式な業種として認められていません。全国的にどれだけの人が探偵業をしているのかも、いまだ正式な統計もありません。サービス業として登録するのが難しいだけでなく、不法に運営されている会社も多いからです。業界によれば不法で運営されているところまで含めて全国に3000余社、60007000人が働いているものとみられます。

日本には現在6万人が探偵業に従事しています。韓国でも政府が「未来の有望分野の新しい職業」に選定した9つの職業の一つに探偵業が入っていました。文大統領も公約に公認探偵制度の導入推進を掲げていました。 

個人的にも、推理小説のファンで、中学生の時に探偵事務所を訪れ探偵になりたいと言ったマルコメとしては、探偵業の未来、とても気になります。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >